KNT-CT、資本金を1億円に減資、2023年度通期は黒字化予想、店舗や支店の縮小で赤字幅も大幅圧縮

KNT-CTホールディングスの2021年度(2021年4月1日~2022年3月31日)の連結営業業績を発表した。旅行業では、GoToトラベル再開が見通しがたたず旅行需要の大幅な減少が継続したものの、旅行業以外の収入確保に努め、PCR検査やワクチン接種の受付業務を全国の自治体から受注したことなどから、売上高は前年度比59.2%増の1399億5700万円となった。

一方、事業構造改革を推進。近畿日本ツーリストの個人旅行店舗を40ヶ所、団体旅行支店を18ヶ所、クラブツーリズムの旅行センターを9ヶ所、また同社を含め4社の本社事務所を閉鎖・縮小したほか、後方部門の集約化を図るため近畿日本ツーリストの地域会社など9社を統合するなど、費用削減に努めた。

その結果、営業損失は前年同期の270億8200万円から76億8600万円に、経常損失は167億2700万円から38億8600万円に、純損失も284億5600万円から57億7100万円に大幅に圧縮した。

なお、同社は政策保有株式の売却による投資有価証券売却益1億1500万円を特別利益として計上。一方、廃止または移転した店舗・事務所などの原状回復費用、移転費用など1億5700万円を特別損失として計上した。

同社は今後について、新型コロナウイルスの感染拡大に加え、ロシアによるウクライナ侵攻の影響もあり、先行き予断を許さない状況が続くと予想するも、2023年3月期の連結業績について、売上高2590億円、営業利益40億円、経常利益40億円、純利益40億円の黒字化を見込む。

資本金を1億円に減資

このほか、同社は資本金の額を80億4000万円から1億円へ減資する方針も発表した。発行済株式総数の変更は行わず、減少する資本金の額の全額をその他資本剰余金に振り替える。理由は、今後の資本政策の柔軟性および機動性を確保するためとしている。

減資の実施は、6月14日に開催される定時株主総会で承認可決されることが条件。

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