日本観光振興協会(日観振)と日本旅行業協会(JATA)、日本政府観光局(JNTO)は、2022年9月22日~25日に開催する「ツーリズムEXPOジャパン(TEJ)2022」の開催概要を発表した。
東京オリンピックの開催により、2019年以降は大阪、那覇での地方開催となり、東京での開催は4年ぶりのこと。2021年はコロナの影響で2023年に延期しており、TEJの開催自体も2年ぶりとなる。
JATA会長の髙橋広行氏は、「東京で世界の観光関連者がリアルで一堂に会する。世界に向けて日本のツーリズムの復活をアピールする場となる。以前にも増して意義がある」と述べ、TEJを今年開催する意義を強調した。
また、コロナ禍によって旅行に対するニーズが大きく変化し、「これまでにないレベルで安心・安全に配慮した商品サービスの提供が求められ、世界では旅行者がその対価を支払うのがトレンドになっている」と言及。これを踏まえ、メインテーマは「新しい時代へのチャレンジ~ReStart~」に設定。「ツーリズム産業も変化と進化を遂げる必要がある。新たな挑戦に向けて再出発する。将来のツーリズムの形を楽しんでいただけるイベントにしたい」と意欲を示した。
今年のキービジュアルに添えた「HELLO NEW JOURNEY」には、これからの時代にふさわしい旅の形を見つける素晴らしさや喜びを表現したという。
来場は15万人見込み、注目は「アドベンチャーツーリズム」「SDGs」など
今回は東京ビッグサイト東展示棟の1・2・4・5ホール(展示商談会)と会議棟605~608会議室(フォーラム)を会場とし、来場者数は4日間で15万人(業界日5万人、一般日10万人)を見込む。参加バイヤー数は350人で、約7000の商談数を予定している。
展示商談会には、国内は47都道府県、海外も世界5大陸の観光地が出展し、すでに1000ブース以上の申し込みがある。ウクライナのキーウ市からも出展に関する問い合わせがあり、現在、協議中。戦後の観光復興をアピールできる場を実現したい考えだ。
また、テーマ別の出展もおこなう。今年は「アドベンチャーツーリズム」「クルーズ」「SDGs」「スポーツツーリズム」「アカデミー」を大きなテーマとし、それぞれの魅力や取組み等を発信。さらに新しい旅のカタチの特集コーナーとして「ワーケーション」「星空ツーリズム」「ドライブツーリズム」「酒造ツーリズム」を設置する。
フォーラムは、全体テーマに「観光による気候変動への挑戦」を据え、基調講演は定期航空協会会長の井上慎一氏(全日空代表取締役社長)が、「定期航空協会による日本のエネルギー戦略への挑戦(予定)」を講演。観光大臣会合には、8~10カ国の観光大臣とUNWTOやWTTCなど世界の観光分野のトップリーダーが参集し、議論の様子は世界にもYouTubeでライブ配信する。
このほか交流事業として、9月22日17時には東2ホール内ステージで、オープニングレセプションを開催。日本の伝統芸能も披露し、リアルならではの鮮やかな演出をする。ネットワーキングの機会となる出展者レセプションも、各ブースで実施される予定だ。
同時開催:VJTMや観光ソリューション、「豊かさ」テーマのイベントも
今年もJNTOが主催する訪日旅行関係の団体・企業向けの展示商談会「VISIT JAPAN トラベル&MICEマート(VJTM)」を同時開催。VJTMとしてはコロナによって2020年は中止、2021年はオンライン開催、今年の海外バイヤーが訪日して参加する形態での開催は3年ぶりとなる。
今回は初めて、対面とオンラインのハイブリッド方式とし、国内のセラー約220社と、海外のバイヤー220社が3400件の商談を予定する。日本の出入国に複雑な手続きが残る中、海外バイヤーの約220人のうち約50人が来日し、会場での商談やセミナーのほか、ファムトリップにも参加する予定だ。
このほか、業界日の2日間には、ツーリズムEXPOジャパンと日本経済新聞社の主催で「トラベルソリューション展2022」を開催。DX関連を中心に約50社が出展し、新しい観光を実現するソリューションが提示される予定だ。デジタルによる観光支援やマーケティング支援から、電動キックボード、自動外貨両替機のような観光産業向け製品、訪日・観光メディアなどの出展もある。
また、9月23日からの3日間は、朝日新聞社主催の「GOOD LIFE フェア」も開催。「豊かさ=GOOD LIFE」をテーマに、豊かな未来につながるライフスタイルの提案や情報を発信するイベントで、衣食住を中心とした6つのカテゴリと「SDGs」で構成。TEJの入場者は無料で入場可能とする。TEJに出展する地域や自治体の出展もあり、TEJと調和した来場体験を提供する。