飲食店予約・顧客管理のテーブルチェック(TableCheck)が実施した「グルメサイトに関する意識調査」で、消費者と事業者の飲食店情報に関するプラットフォーム利用に変化の兆候が見られた。飲食店検索では、消費者は「Google」、事業者は「インスタグラム(Instagram)」の利用が急伸。テーブルチェックは「グルメサイトの時代は終わりを迎えつつある」と指摘した。
同調査は2022年6月27日~30日にインターネットで実施したもの。飲食店が評点の不当な引下げによる売上減を訴えた裁判で、6月16日に「食べログ」の敗訴判決がでた後に実施された調査だった。
調査結果によると、グルメサイトの信頼度を聞いた設問では「あまり信頼していない」「まったく信頼していない」の合計は30.4%となり、年々上昇。2年前の数値の約1.2倍となった。利用頻度では、1年前に比べて「減った」と「利用・閲覧をしなくなった」の合計が26.5%となり、3年連続で「増えた」を上回る結果となった。
「減った」「利用・閲覧をしなくなった」理由の上位は、「自分好みの店が見つからないから」(28.8%)、「信頼できる情報ではないから」(21.2%)。飲食店の検索では「Google」(86.1%)が食べログなどの「グルメサイト」(61.3%)を抜き1位となった。「自分好みの店がよく発見できると感じるツール」でも「Google」(50.4%)がトップだった。
一方、事業者側の有料利用率では、「食べログ」(23.8%)を筆頭にグルメサイトが上位となるが、「利用していない」(58.0%)が約6割と圧倒的だった。その理由は「月額の掲載料が高い」(39.0%)、「ユーザー評価などの掲載情報が信用できない」(24.6%)、「送客手数料が高い」(18.2%)の順。集客マーケティングで最も積極的に取り組んでいるツールでは、「食べログ」(19.0%)の次に、「インスタグラム(Instagram)」(18.2%)が続いた。
集客マーケティングで最も効果を感じられるツールでも「食べログ」(26.3%)と「インスタグラム」(22.6%)がトップ2に。ただし、グルメサイトに対する意見を自由記入で求めたところ、9割が否定的な意見で、「評価制度をやめてほしい」「現在とはかなり違う10年前の書き込みが残っていて消えない」「書き込み、口コミ自体が仕事になっている現実があり、全く信用できない」などが上がった。
調査結果を踏まえ、テーブルチェックでは「グルメサイトの時代の終焉と次の時代のプレイヤーが鮮明に見える結果」と総評。その理由として、グルメサイトは飲食店にはコスト高や信用度の低い評点などの不利益を与え、消費者にも「好みの店が見つからない」という不満を解消できていない点を指摘し、「パーソナライズされた情報をあたり前に得られるようになった今、高い契約料順に表示される飲食店検索サービスからは、ユーザーも飲食店も離れるのは当然の流れ」と説明した。