観光庁は、「第14回観光庁長官表彰」の受賞者を決定した。魅力ある観光地づくりやその魅力の発信など観光の振興、発展に貢献した個人および団体を表彰するもの。
受賞者は、「北海道ニセコ町」「裏磐梯観光活性化協議会」「一般社団法人 下呂温泉観光協会」「一般社団法人 キタ・マネジメント」「特定非営利活動法人 美しい村・鶴居村観光協会」「積水ハウスおよびマリオット・インターナショナル」の6団体。
なお、アパグループと西武・プリンスホテルズワールドワイドへは「特別感謝状」の贈呈を決めた。
観光庁がまとめた受賞6団体の取り組み概要や主な実績は以下のとおり。
- 北海道ニセコ町
- 持続可能な観光地づくりを目指してニセコ町観光振興ビジョンを策定。アンケート調査やSDGs研修、シンポジウムなどで地域が連携して推進。「サステナビリティ・コーディネーター」の採用を通じ、国際基準にも沿った取り組みを遂行。アセスメントの作成や改善の提案・情報発信などもおこなった。
- 裏磐梯観光活性化協議会
- コロナ禍でも「SDGs教育旅行」を推進し、同地域のホテルでは、教育旅行宿泊利用者数が2年間で約5倍増を実現。「売上・集客・リピート拡大」の基盤を構築。食育のほか、環境、文化、水教育といった分野を学習できる教育旅行のノウハウも活用しながら、SDGsを切り口とするワーケーションも推進した。
- 一般社団法人 下呂温泉観光協会
- 同組織は、積極的なDX導入を通じ、観光客の消費動向データなどに基づくマーケティングプロモーションを展開することで、早期に宿泊者数をコロナ前の水準まで回復させた実績をもつ。入湯税の活用などによって安定財源を確保し、地域が自走するための基盤を構築した点も高評価を得た。
- 一般社団法人 キタ・マネジメント
- 民間企業なども巻き込み、高付加価値コンテンツを造成、地域独自のCRM導入、財源確保などを推進。その収益を地域に再投資することで、継続的に自立・自走できる地域づくりをおこなった。同組織は、日本初の「城泊」として、1組単価110万円以上の「大洲城キャッスルステイ」を提供。LINEと定型した地域内回遊促進などの実績もある。
- 特定非営利活動法人 美しい村・鶴居村観光協会
- コロナ禍でも国内旅行者に向けて新たな滞在型コンテンツなどを積極的に開発。その結果、観光入込客数は前年度比で4600人増に至った。既存の農泊の継続みならず、北海道の自然を生かしたワーケーションや地産の食材を使ったガストロノミーツーリズムも好評だった。
- 積水ハウスおよびマリオット・インターナショナル
- 「Trip Base 道の駅プロジェクト」を展開。宿泊特化型ホテルを「フェアフィールド・バイ・マリオット」のブランド名で展開。7道府県18か所で開業し、地域に人が集まる仕組みを構築。地元を優先する雇用で、U・Iターンの受入れにも積極的に取り組むほか、全国の企業とともに地域での新規事業開発も実施し、関係人口の増加にも寄与した。