旅行先の決定から旅先での消費機会の創出まで、観光のカスタマージャーニーにおいて、ソーシャルメディア(SNS)上でインフルエンサーが持つ影響力は大きい。その動向データを効率的に活用し、マーケティングに活かせれば、観光客誘客の大きな力になるはずだ。台湾発のAIテクノロジー企業「iKala(アイカラ)」は、AIや機械学習の技術でインフルエンサーマーケティングを支援。今後、急回復が期待される訪日台湾人旅行者のトレンドを可視化している。
主要SNSから膨大なデータを収集しデータベース化
iKalaのミッションは、AIによってビジネスの成長を支援すること。現在、本社のある台湾をはじめ、日本、シンガポール、タイ、香港などアジア6カ国・地域で事業を展開している。
その事業のひとつであるコマース事業では、インフルエンサー検索プラットフォーム「KOL Radar(KOLレーダー)」を提供。AI機械学習やビックデータを活用し、感覚的なマッチングではなく、データドリブンのインフルエンサーマーケティングを実現している。
台湾や日本などアジア4カ国で、フェイスブック、YouTube、インスタグラム、TikTok上の膨大な画像やコミュニティなどのリアルタイムコンテンツデータを収集。その数は1億以上におよぶ。
フォロワー数1000人以上のインフルエンサー40万件からデータを収集し、AI機械学習で27種類に分類。そのデータベースは2週間に一度更新され、過去3ヶ月・6ヶ月のインフルエンサーのパフォーマンスを確認することを可能にしている。
日本国内の企業向けには、日本語でのサービスを提供し、iKala日本支社を通じて、台湾市場を中心に、香港、マレーシア、タイへの越境マーケティング支援を提供。目標設定などの戦略策定、インフルエンサーとのコンテンツ企画や制作交渉、広告配信などの拡散、結果データの分析・可視化までワンストップでサービスを提供しているのが特徴だ。
台湾人インフルエンサーの日本旅行への影響度を見える化
今年10月中旬に日本と台湾は入国制限をほぼ撤廃。今後、台湾からの訪日需要が急速に回復すると期待されている。訪日台湾人は、旅行情報源としてSNSを最も活用しており、その割合は約35%にもなることから、インフルエンサーの活用は訪日台湾人の誘客に向けて重要な取り組みになる。
そのなかで、iKalaでは、「2022年最新データから徹底解析! 訪日台湾人の特徴と SNSを活用したインバウンド施策」レポートを発表。KOL Radarで収集したデータから台湾人インフルエンサーの日本旅行への影響度を見える化した。
KOL Radarでは、過去2年半に日本の地名や観光地に言及したインフルエンサーの投稿を収集し、そのデータから表示回数、再生回数、コメント、いいね、シェアなどの回数に基づいて、台湾のSNS上における影響力を独自に算出している。
例えば、インフルエンサーによる投稿の影響力が高い都道府県トップ10では、圧倒的1位は東京。そのほか、北海道や東北の3県がトップ10に入っており、雪が降らない台湾ならではの特徴が浮かび上がる。
また主要都市ランキングでは、京都・大阪など都道府県名と一致している都市を除き、SNS上での影響力が最も高い都市は仙台。次いで横浜、札幌、函館、名古屋が続いた。ここでも北海道と東北の都市がランクインしているのが特徴として浮かび上がった。また、世界遺産では富士山が圧倒的なトップ。この影響で、都道府県別でも山梨県が8位に入っている。
また、ディズニーランドの投稿影響力は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの約3倍、桜の投稿影響力は紅葉の約5倍になるなど、台湾人旅行者の関心の違いも伺い知ることができる。
さらに、SNS媒体による違いも可視化。台湾の旅行系インフルエンサーの9割近くがインスタグラムを運営し、その約7割が女性であることも分かった。一方で、台湾で最も利用者が多いのはフェイスブックで、影響力の大きなプラットフォームになっていることから、詳しい旅行情報の発信にはフェイスブックの活用が不可欠としている。
このほか、レポートでは、インフルエンサーPRをおこなう場合は、インバウンド消費のチャンスを広げるために、クレジットカード、保険、Wi-Fi、荷物の配送・預かりなどの付帯サービスの情報発信を検討する必要があると提案している。
台湾インバウンド誘客には欠かせないSNSインフルエンサー戦略。iKalaでは、自社独自のビッグデータで、台湾市場で勝ち抜くための戦略企画から現地インフルエンサーとの交渉・契約、効果分析までをワンストップで支援している。
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記事:トラベルボイス企画部