トリップ・ドットコム(Trip.com)のシューベルト・ルーCOOは、ドバイで開催された「Skift Global Forum East」に登壇し、今後の中国市場のマーケティングについて意見を述べた。中国人旅行者が海外旅行に戻ってくるとき、マーケターは注意が必要だと提言。中国人消費者の嗜好はパンデミックの間に変化しているため、従来のマーケティング方法ではうまくいかないと指摘している。
ルー氏によると、2022年11月11日「独身の日」の売り上げは前年比で横ばいだったが、その中身に変化が見られ、中国の消費者は付加価値の高いモノを求める傾向が強まっているという。そのうえで、海外旅行が再開された時には、以前よりも価値や品質にこだわりを持つようになると見ている。
例えば、タイの一部のホテルが提供しているように、宿泊に1日地下鉄カードなどの特典を付けるサービスが喜ばれるとしたうえで、ホリデーシーズンに入る前の適切な時期に、サービスを組み合わせたパッケージ商品などを露出していくことを推奨した。
また、マーケティングチャネルについても言及。検索エンジンで10万ビューを稼ぐコンテンツも、TikTokを使えば140万ビューを獲得する可能性があるとの例を出し、「単一チャネルに集中するマーケティングは成功しない可能性がある」とした。
今後は、中国人旅行者に対して、ホテルやフライトなどの宣伝だけでなく、「旅先で何ができるのか、なぜそれが可能なのかなど、コンテンツの魅力を伝える必要がある」と付け加えた。
※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(skift)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいてトラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。
オリジナル記事:The New Chinese Traveler Won’t Be Receptive to Old Marketing Strategies
著者:Dennis Schaal氏