ドイツ、中国市場の不在でも、今夏の外国人宿泊数がコロナ前の85%に回復、2023年もさらに増加を予測

ドイツ観光局は、2022年第3四半期の外国人観光客の宿泊件数が、ウクライナ危機前の約85%に達したと発表した。月別では7月は84%、8月は83%、9月は87%。主要市場の中国人観光客が激減し、ロシアからの観光客も減少する中でも、訪独インバウンドは着実に回復に向かっているとの見解を示した。2022年の外国人宿泊件数は6000万件になる見通しで、これは過去最多だった2019年の約3分の2相当の数になるという。

さらに、2023年の外国人宿泊件数については、6700万件に増加すると予測。外国人観光客の8割超を占める欧州諸国の観光客の7割が、今後半年以内に旅行を計画していることや、欧州人の62%が欧州域内の旅行を計画しているといった、ヨーロッパ観光委員会(ETC)の調査結果を踏まえたものだ。

ただし、ドイツ観光局ではエネルギー価格と物価の高騰で旅行費用が高騰することも予想。適度な物価上昇であれば影響は限定的としながらも、同局トップマネジメントの半数強は物価高騰によって外国人観光客は「少し減ることになる」と展望している。

なお、ドイツ観光局は物価高騰が旅行に与える影響の参考として、ETCが2022年10月に実施したアンケート調査の結果も発表。これによると、潜在的旅行者が旅行できない理由で「旅行費用の高騰」をあげたのは23%、「経済的余裕がない」は17%で、前回調査より4~5ポイント上昇。ウクライナ危機や旅行中の隔離の義務付けに対する危惧(それぞれ9%前後)を上回った。

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