航空データ分析を提供するOAGによると、中国の2022年12月の座席供給量は前年比2%増、前月比35%増となるものの、通年では2021年を下回る見込みだ。供給量全体の98.5%が国内線。国内線に限ると、2019年の水準にほぼ達している。
国内市場での上位3社は、2019年と変わらず、中国南方航空、中国東方航空、中国国際航空。この3社で全体の42%を占めている。このほか、4位は厦門航空、5位は四川航空、6位は深セン航空、7位は春秋航空。注目は春秋航空で、2019年12月よりも75%も供給量を増やした。
空港別の座席数を見ると、上海が2019年12月よりも2%増。虹橋は4.1%減となったものの、浦東は10.6%増となった。北京では、北京首都空港が45.1% 減となったが、これは北京大興空港を使用するフライトのシェアが増加したことが一因。南部では、広州が14.7%減、深センが1.6%減。この違いは、深センの方が広州よりも乗り継ぎ便が多いため。トップ10の空港が全体の3分の1を占めている。
省別では、四川省が際立つ。新空港の開設に伴い、2019年12月から2022年12月までの間に座席数は37.4%増加した。2021年6月に開業した成都天府空港は、既存の成都空港から一部フライトが移行しており、現在の1ヶ月の座席数は約180万席で推移している。
路線別では、北京/上海線は、2019年12月比で18%減となっているものの、引き続き中国国内最大の路線。上位10路線はすべて、北京、上海、珠江デルタ (広州と深セン)、重慶、成都の間を結ぶ路線。
OAGは2023年について、香港と主要都市以外の中国の地域とのフライトがまもなく再開されるとの報道もあり、中国国際線の供給量が回復に転じると見込んでいる。