【年頭所感】日本政府観光局（JNTO）理事長　清野智氏　―インバウンド観光再スタートの年、MICE誘致にも注力

日本政府観光局（JNTO）理事長の清野智氏が、2023年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。

清野理事長は昨秋の水際措置緩和の発表後、JNTOがすぐに個人観光客の受入再開に関する情報や観光情報の発信、航空・旅行各社とのプロモーションを実施したことを紹介。今年はインバウンド観光の再スタートの年として、観光産業にとって非常に重要な一年となるとの認識を示し、関係省庁や地方自治体、DMOなど関係者との連携を強化して、「日本の魅力を、日本のチカラに。」変えていけるような取り組みを進めていくと述べている。

発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。

2023年　年頭所感　―インバウンド観光再スタートの年―

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、約2年半もの間、観光業界は甚大な影響を受け、JNTOにとってもコロナ前のようなプロモーション活動をすることができない、非常に苦しい状況が長く続きました。このような中で、皆様が事業の継続に向けて懸命にご尽力されてきたことに、改めて敬意を表します。

昨年10月11日、ついに訪日外国人観光客の受入が本格的に再開しました。JNTOでは、水際措置緩和が発表されてすぐに個人観光客の受入再開・ビザ免除措置再開に関する情報を発信するとともに、訪日旅行の計画の早期実現を促すべく、紅葉、スノーアクテビティなど具体的な観光情報の発信や、航空会社・旅行会社との共同プロモーションなどの取組みを機動的に実施してまいりました。

観光目的での入国停止が続く間も、JNTOでは、日本の各地域の関係者と連携して訪日旅行の多様な魅力を世界に発信し続けてまいりました。併せて、来るべきインバウンド再開の日に備え、今や世界的な潮流とも言える「サステナブル・ツーリズム」、旅行消費額の拡大につながる「高付加価値旅行」、そして、自然志向の高まりを踏まえた「アドベンチャートラベル」を今後のインバウンド推進の柱として定め、これらに関する国内外関係者との連携強化や情報発信等に努めてまいりました。

インバウンド観光の再興とさらなる拡大が期待される本年は、これらの柱を中心とする取り組みを一層強化してまいります。とりわけ、9月に北海道で開催されるアドベンチャートラベル・ワールドサミット（ATWS）2023は、日本のアドベンチャートラベルの魅力を世界に発信する絶好のチャンスです。また、世界的にリアルのイベント・会議が再開する中、MICE誘致に一層注力するとともに、2025年の大阪・関西万博を契機とした日本の魅力の発信も強化してまいります。

併せて、インバウンド誘致に取り組む皆様のご努力が大きな実を結ぶ年となるよう、国内インバウンド関係者の方々にJNTO海外事務所から各市場の旬の情報をお届けすると共に、JNTOのマーケティングの知見を活かして海外向け情報発信に関するコンサルティングを行うなど、JNTOの総力を挙げて、日本の各地域のインバウンド観光の早期回復の支援に努めてまいります。

本年は、インバウンド観光の再スタートの年として、観光産業界にとって非常に重要な一年となります。JNTOとしましても、関係省庁、地方自治体、DMOの皆様をはじめとする関係者の皆様との連携をより強化し、「日本の魅力を、日本のチカラに。」変えていけるよう取組みを進めてまいりますので、引き続きご支援を賜りたく存じます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

本年も引き続き皆さま方のご支援・ご鞭撻を宜しくお願い申しあげます。

日本政府観光局（JNTO）

理事長　清野智