大阪万博、IR、リニア建設の経済効果、関西経済に与える影響など、第一生命研究所が分析

第一生命経済研究所が、2025年に開催される大阪・関西万博、2029年の開業が予定されている大阪統合型リゾート(IR)、リニア新幹線建設が日本経済にもたらす影響についてまとめた。万博の建設工事が本格化する2023年からIR建設工事がピークアウトする2028年にかけて、建設循環のゴールデンサイクルが訪れるのではないかなどと分析している。

万博開催による経済効果は、すでに政府が約2兆円と試算している。150カ国・地域を含む166機関が参加。想定来場者数は国内から2500万人、海外から300万人の計2800万人が見込まれているが、同研究所は「万博のコンテンツや経済環境次第で、特にインバウンド中心にさらに伸びる可能性がある。企業の東京移転などで地盤沈下が続く関西経済浮揚の起爆剤になることが期待できる」とみている。

ただ、万博は2025年5月3日から11月3日まで185日間の期間限定イベントであり、大阪府と大阪市が万博とセットで夢州への誘致を目指してきたカジノを含むIRがもたらす影響は大きい。大阪府は整備計画で国内外の年間来訪者数を約2000万人と想定。近畿圏への経済波及効果は年間約1.14兆円、雇用創出効果を約9.3万人と見込んでいる。

同研究所は、これらの試算とともに海外IRなどの事例から、「IR運営で持続的な経済効果が出ることに加え、万博跡地などのテーマパークや大型商業施設ができれば、関西への影響は大きい」としている。

また、リニア新幹線効果については、大阪までの延伸により、少なくとも累計で16.3兆円(年平均1兆円規模)の経済効果が生まれるとされている。同研究所は「駅周辺の再開発や生産拠点の新設、周辺交通機関の整備などがすでに進んでおり、労働人口や観光客、さらに自治体の税収の増加が加われば、観光や物流などへの大きな波及効果にとどまらず、人やモノの流れ、ライフスタイルの変革を起こす可能性すらある」などとまとめた。

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