ANAは、2023年4月3日に発生した国内線システムの不具合について、その原因を明らかにするとともに、再発防止策を発表した。この不具合によって、同日55便が欠航し約6700人に影響、また30分以上の遅延が153便発生し約2万人に影響が出た。
ANAのシステムは、予約・販売・搭乗手続き・利用者への情報配信などつながる2つの系統(A系とB系)で運用。通常時は、1つを稼働させ、もう一つはバックアップとして待機させている。A系とB系には、それぞれ2つのデータベースをもつが、今回の不具合はA系の2つのデータベースが同時に停止したことで起こった。
ANAは、その原因として、予約管理⽀援システムへのデータ抽出の際に予期せぬエラーが発⽣し、データベース1がフリーズしたことによるものと説明。エラーについては、データ抽出処理のプログラムに問題はなく、複数のデータ抽出処理を並列で同時に実⾏することによるデータベースの偶発的なものという。
そのうえで、フリーズの影響が想定以上に⻑引いたため、データベース2が⾼負荷状態となり、監視プログラムによりデータベース1・2がほぼ同時に停⽌した。
ANAは2018年11月からこのシステムを稼働。今回の不具合は、初めて起きた事象だとしている。また、サイバー攻撃によるものではなく、データの外部流失もないことを確認している。
今後の再発防止策については、今回の原因となった予約管理⽀援システムへのデータ抽出処理⽅法を並列から直列に変更することで偶発に発⽣しうる同じエラーを起こさないようにする。直列は並列よりも処理時間は遅くなるが、バックオフィス業務上影響がないことを確認していると説明した。
また、データベースが2台同時に停⽌する事態を避けるため監視プログラムの設定を変更する。