マスターカード(Mastercard)の最上位クラスのクレジットカードを展開するLUXURY CARDが同カードの利用動向を分析した「2022年の新富裕層の消費動向」を発表した。2022年1~12月の世界のラグジュアリーカード(チタンカード、ブラックカード、ゴールドカード、ブラックダイヤモンドの4種類)会員の利用データに基づくもの(人数非公開)。若い世代の新富裕層の増加、コロナ収束がみえてきたなか、海外旅行を含めた旅行意欲の向上も如実にうかがえる結果となった。
エアラインでの利用は倍増
まず、分析のもととなる2022年のカード保持者の平均年収は2021年比1.4倍の2359万円。年会費はチタンの5.5万円からブラックダイヤモンドの66万円まで高額にもかかわらず、会員数は6年で4.1倍近くに成長したという。2022年入会者の7割近くは年会費22万円のゴールドカードと同11万円のブラックカードだった。2022年入会者の年齢は20代が14%、30代29%、40代31%、50代18%、60代以降8%。若い世代の新富裕層が増えている。
こうした富裕層の消費動向をみると、2022年全体のカード利用額は2021年比175%で過去最高を更新。税金、外食、バー・クラブ、百貨店ショッピングといった従来の利用に加え、コロナによる旅行制限がなくなり、国内・海外旅行での利用が活発化した。利用金額が多かったカテゴリートップ10には、旅行関係で「リゾート、ホテル」が6位、「鉄道」は2021年の17位から10位に順位を上げた。「エアライン」の利用も倍増した。
特別な体験への投資に強い意欲
同社は2023年3月17~21日の期間中、カード利用の変化を探る会員アンケートも実施した(1266名が回答)。これによると、2023年のラグジュアリーカードの利用見込みは、「昨年と同様」がトップの38.4%、「昨年よりもやや増える」が31.8%、「昨年よりも大幅に増える」が16.3%で続いた。
「大幅に増える見込みだ」「やや増える見込みだ」と回答した人の理由は「他カードから決済を移行する」が最も多かったが、「国内旅行に行く予定がある」(24.8%)、「海外旅行に行く予定がある」(18.4%)も上位に入り、旅行意欲の回復がみられた。コロナ収束の兆しがみえてきたなか、海外旅行に行きたいかについてもヒアリングしたところ、83.3%が「行きたい」と回答した。
また、ウクライナ情勢や大幅なレイオフ、円相場上昇、物価高など不安定な状況下での考え方については、「人生の価値を高める特別な体験(旅行や限定イベント)への投資」が47.6%でトップ。「人生を豊かにする人との出会い、新しい人とのつながりの創出へ投資」(42.8%)が続き、「先行きが不透明で不安なのでこれまで以上に節約や貯蓄をしていきたい」(19.5%)との回答は2割以下にとどまった。
ラグジュアリーカードは2008 年に米国で創業、日本では2016 年から発行している金属製クレジットカード。