観光庁は、国内の主要旅行業者43社・グループの2023年3月旅行取扱状況(速報)を発表した。国内旅行の回復が顕著で、総取扱額は5310億2994万円とコロナ前の2019年同月を17.8%上回った。
海外旅行は前月の2019年同月比63%減と同じく同60%減・707億680万円にとどまったが、国内旅行は全国旅行支援の後押し、春休みの旅行シーズンが重なったこともあり、同75.7%増の4411億4700億円と、2月の1990億6450万円に比べ急伸した。日本の旅行会社のインバウンドの取り扱いは、同16.5%減の191億7615万円まで戻している。
もっとも、パッケージツアー(募集型企画旅行)は全体的の回復に総じて低調で、コロナ禍を経て市場の変化が顕著なことがうかがわれる。2023年3月の国内旅行の旅行商品ブランドの取扱額は同6.7%減の871億9066億円、取扱人数は同20.2%減の275万3073人。海外旅行については、全体で2019年比の6割減の水準にもかかわらず、旅行商品ブランドの取扱額は同88.1%の44億9281万円、取扱人数が同93.2%減の1万3406人と、多くが個人旅行を選択していることを如実に示している。
また、主要各社・グループの3月の総取扱額を2019年同月比でみると、トップ5はJTB7社が86.6%増の2875億8848万円、KNT-CTホールディングス4社が41.2%増の605億2789万円、日本旅行が26.6%減の300億9265万円、東武トップツアーズが172.8%増の263億8094万円、エイチ・アイ・エス(HIS)6社が45.3%減の258億7276万円の順。JTBの好調ぶりとともに、海外旅行を主軸としてきたHISが回復しているほか、東武トップツアーズの国内旅行が2019年比でも3倍と躍進しているのが目立っている。