博報堂のシンクタンク博報堂研究所と組織横断型プロジェクト「HAKUHODO EC+」はこのほど、Z世代の買い物行動や価値観、コマース利用動向の把握を目的とした「Z世代×ニューコマース調査」を実施した。調査結果から、両者はZ世代のコマース行動を「バイヤー型消費」と名付け、「開拓」「越境」「見極」「即決」の4つの志向の傾向が強いと分析した。
調査は定量として、2023年1月にZ世代(15~25歳)1854サンプル、Y世代(26~41歳)516サンプル、X世代(42~59歳)516サンプルを対象に実施して比較対象。2月にオンラインデプスインタビューも実施した。
商品の伝播方法にも工夫を
これによると、Z世代のコマース行動には「SNSなどを駆使して積極的に情報収集をして、自分が欲しい情報を自ら取りに行く(開拓志向)、良いものを選ぶために国内・海外問わずにフラットに製品を購入する(越境志向)、自分なりの情報筋を確保しつつ、本当に信用できる情報かを見定める(見極志向)、良いと判断したものは、自分の直感を信じて即決で購入する(即決志向)」という特徴が見られ、バイヤーさながらに自らの足で積極的に情報を獲得し、情報の真偽を見極めながらコマース行動をおこなう姿が浮き彫りになったという。
分析担当者は、「商品情報の伝播方法や、Z世代の『買いたい』衝動を逃さないシームレスな購買導線・決済を提供するコマース体験などが必要だ」と指摘している。
企業より個人アカウントで情報収集
調査では、Z世代特有の行動を把握するため、Y(ミレニアル)世代、X世代とも比較。「開拓志向」では、トレンド商品は取り入れたいが、被り回避のため、SNSで人と被らない商品を探す傾向が他世代に比べて強いことがわかった。「越境志向」については、自分が知らない海外メーカーの商品でも、SNS上で日本人の評価が良ければ購入したいとの回答がZ世代は57%で、Y世代の43%、X世代の31%を大きく上回った。
また、「見極志向」では、企業が発信する情報よりも評価が高い個人のSNSの情報を参考にして買うことが多く、Y世代の35%、X世代の23%に対し、Z世代は51%との結果。Z世代は良いと思った商品を、忘れないために即決で購入する傾向も見られた。