JTBは、2022年の日本人海外旅行マーケットの実態と需要回復局面における海外旅行市場の展望をまとめた「JTB海外旅行レポート2023 日本市場における海外旅行のすべて」を発行した。1988年以来、今年で36回目の発行。9月29日から販売を開始した。
レポートでは、2022年における年間海外旅行者数は277万人で、2021年と比較すると大幅に増加したものの、海外旅行者数が初めて2000万人を突破した2019年比では13.8%となり、本格的な需要回復には至らなかったとしている。
同社の独自アンケート結果から、2022年に海外旅行に出かけた人の平均旅行費用は2019年以前から大幅に増額。円安や海外旅行先の物価の上昇が旅行需要へ与えた影響は大きいと分析している。また、2022年に海外旅行に出かけた人のうち、約4割の旅行者は旅行費用の高騰により当初の計画を変更した。
また、2021年および2022年の前半と後半における旅行者の海外旅行経験を比較すると、水際対策が緩和され、需要回復の兆しがみられた2022年以降は、徐々に経験値の高い旅行者の割合が上昇していることが分かった。
さらに、2019年時点の海外旅行経験別にみた旅行意欲と比較すると、具体的な旅行計画までは立てていないものの「予定はないがぜひ行きたい」人の割合は増加しており、「絶対行きたくない」「あまり行きたくない」人の割合も増えているわけではないため、今後のさらなる需要回復が期待されるとしている。