開幕まで1年切った「パリ五輪2024」、大会概要を発表、開会式は史上初の屋外開催、期間中も通常の観光客を誘致

フランス観光開発機構(アトゥーフランス)は、開催まで1年を切ったパリ・オリンピック・パラリンピック(パリ2024)についての記者会見を開催し、大会の概要および観光分野での取り込みを説明した。オリンピックは2024年7月26日、パラリンピックは8月8日に開幕する。

会見では冒頭、フィリップ・セトン駐日フランス大使が登壇。「オリンピック、パラリンピックとも開幕まで1年を切ったが、準備は着々と進んでいる。東京2020からパリ2024へバトンをしっかりと繋いでいく」と挨拶した。

また、パリ2024オリンピック・パラリンピック大会組織委員会会長のトニー・エスタンゲ氏は、パリ2024について「広く開かれた大会にしていく。社会全体で遺産を残していく」とのビデオメッセージを寄せた。

パリ2024オリンピック・パラリンピック大会組織委員会事務局長のエチエンヌ・トボワ氏は、大会の概要を説明。「セレブレーション」「レガシー」「エンゲージメント(全員参加)」の3つの柱でバリ2024を進めていくとしたうえで、パリ2024の特徴として、Games Wide Openをコンセプトに「パリ全体が会場になること」を挙げた。

開会式は、史上初の市内の屋外開催としてオリンピックがセーヌ川、パラリンピックがコンコルド広場で行われる。セーヌ川では、川に近い下段が有料席となる一方、上段は登録制の無料席になるという。さらに、文化とスポーツとの融合を掲げ、ユニークな競技会場も設ける。ビーチバレーやブラインドサッカーは、エッフェル塔前に屋外スタジアムを設置するほか、アンヴァリッドではアーチェリー、ベルサイユ宮殿では馬術が行われる。また、パリ以外では、セーリングはマルセイユで、サーフィンはタヒチで実施される。

大会のレガシーについては、社会課題の解決として、障がい者や男女の格差の解消、CO2削減などに取り組み、「持続可能な大会の実現を目指す」(トボワ氏)。

会見には、スポーツキャスターでソウル・バルセロナ・アトランタのオリンピックに出場した松岡修造さん、女子柔道48キロ級代表の角田夏実選手、車椅子ラグビー日本代表の若山英史選手も登場。角田選手と若山選手は共に「パリでは金メダルを目指す」と意気込みを示した。

(左から)松岡修造さん、フランス観光開発機構在日代表マゼンク氏、角田選手、若山選手、
東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会会長の橋本聖子氏、セトン駐日フランス大使、日本パラスポーツ協会日本パラリンピック委員会会長の森和之氏

パリ2024で旅先としてのイメージを

フランス観光開発機構在日代表のフレデリック・マゼンク氏は、パリ2024に向けた観光アクションプランを説明。「パリ2024を通じて、フランスの旅先としてのイメージを強化し、滞在期間の延長を促す。さらに、大会期間中および前後でも通常の観光客の誘致も進める」と話した。

そのうえで、旅行者の満足度を高めることを目的にフランス観光事業者を支援するほか、メディアなどを通じたプロモーションを実施。今年12月には、キャンペーンビデオの配信も始める。さらに、大会による観光経済への効果測定を行い、今後の施策に活かしていく考えを示した。また、日本市場では、世界遺産、美食を含めたライフスタイル、アウトドア、ナイトライフを引き続き訴求していく。

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