このほど開催されたフォーカスライト・カンファレンス2023で「フォーカスライト・イノベーション・プログラム」の優れたスタートアップ企業を表彰する「ローンチ」の受賞者が発表された。今年は最終候補に11社が進み、選考の結果、「トラベル・イノベーション」賞には、顧客からの支払いとサプライヤーからの支払いを連携させるオールインワンのリアルタイム支払いプラットフォームを構築する「ConnexPay」が選ばれた。
「ConnexPay」は、OTA向けに、クレジットカード決済における消費者の支払いとサプライヤーへの支払いのタイムラグを解消するもの。USバンクに長年勤めたロバート・カウフマン氏が2018年に立ち上げた。
カウフマン氏によると、OTAは顧客に商品を購入してもらうために数十億ドルを費やし、その平均顧客獲得コストは一人当たり20ドルから50ドルかかる。OTAは、コストをかけて顧客を獲得したにも関わらず、サプライヤーに支払いをする段階では、すでに顧客にサービスを提供していないこともある。
この問題は、パンデミックで旅行の変更や払い戻しが大量に発生したことで、従来以上に顕在化した。その旅行業界の決済プロセスを、クレジットカード支払いを処理する銀行もリスクとして捉えているという。
そこで、ConnexPayは、支払いのリアルタイムアクセスのプラットフォームを構築した。顧客から代金を受け取るまでのタイムラグがないため、サプライヤーへの支払いも滞りがなく、また、支払いのプロセスが可視化されることで、取引リスクも低くなるため、支払い処理を行う銀行にとってもリスクが排除されることになるという。
ConnexPayは近頃、事業拡大に向けて1億1000万ドル(約165億円)の資金を調達した。現在、米国、カナダ、英国、ユーロ圏国など30カ国でサービスを展開している。
※ドル円換算は1ドル150円でトラベルボイス編集部が算出