【年頭所感】ナビタイムジャパン メディア事業 兼 トラベル事業部長 毛塚大輔氏 ―企業と地域をつなぐハブとして進化を

ナビタイムジャパンのメディア事業部兼トラベル事業部事業部長の毛塚大輔氏が、2024年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。

毛塚氏は2023年を振り返り、同社が交通チケットや体験アクティビティ情報の拡充、観光案内DXツールの提供に注力したことなど紹介。2024年も引き続き、インバウンド市場を中心にパーソナライズされた旅行体験の提供、消費拡大と観光周遊への貢献、グローバル市場へのアプローチを強化する方向性を示した。

そのうえで、コア技術である「マルチモーダルな経路探索技術」「ロケーションデータ」「移動ログデータ」を活用しながら、企業・地域・体験を結ぶハブとして、新たな移動需要の創出と消費拡大に貢献できるようなサービス・プロダクトに進化させていくと意欲を示した。

発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。


年頭所感

新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

日頃より関係企業の皆様には、多大なるご支援とご協力をいただき、心より感謝申し上げます。

ナビタイムジャパンのトラベル事業は、ナビタイムジャパンのコア技術である「マルチモーダルな経路探索技術」「ロケーションデータ」「移動ログデータ」を活用し、国内旅行者には『NAVITIME Travel』を、訪日外国人旅行者には『Japan Travel by NAVITIME』を提供しています。また、これらの個人向けサービスで蓄積した技術を自治体・DMO、観光事業者をはじめ、観光市場に関わる企業の皆様向けに、OEM・パッケージや、プロモーション支援等の観光ソリューションを提供しております。

昨年は特にインバウンド需要が急回復する中で、訪日外国人旅行者向け観光サービスの利用も大きく増加しました。利用者数はコロナ前の2倍以上となり、国籍は入国者の国籍割合と比較して欧米豪やタイ、シンガポールなど東南アジアの利用が多い傾向にあります。

そういった状況下で、インバウンド関連でのサービス・プロダクト開発に力を入れてまいりました。

交通チケットや体験アクティビティ情報の拡充

Japan Rail PassやTokyo Subway Ticketなど、訪日外国人旅行者向けフリーパスを優先したルート検索を北陸、四国、九州などのエリアに対応し、70種まで拡充しました。また、各社様が提供する交通や入場チケット、ツアーなどとナビタイムジャパンのルートや観光情報を連携させることで、経路検索から予約がシームレスに利用可能になりました。

訪日FIT旅行者が体験した旅行のシェア

『Japan Travel by NAVITIME』で「旅程の投稿機能」をリリースしました。訪日FITが体験した旅行を、交通手段を含むモデルコースとしてシェアされるようになり、旅程作成機能を利用する方の約40%が他の利用者の旅行をベースに自分好みの旅程にカスタマイズしています。訪日FITが実際に体験した情報は、ユーザーにとって新しい旅行の発見につながり、観光の多様なニーズに応えられる情報提供が可能になると考えています。

観光案内DXツールの提供

インバウンド需要が急伸する一方で、観光案内所やホテルなど訪日外国人旅行者向けの「観光案内」では、情報更新や人手不足が課題とされています。これらの課題解決を目指し、観光案内業務支援ツールとして「Guide Map」を提供開始しました。観光客の行きたい場所やニーズに合わせた情報を多言語でタブレット等にて表示できるツールです。トライアルも始まり、プロダクトマーケットフィットに向けて開発を進めつつ、訪日外国人の受入環境整備にも貢献してまいります。

2024年も、旅行需要や季節性の回復などの変動要素を考慮し、継続的かつなだらかな増加が見込まれます。

本年も引き続き、インバウンド市場を中心に、人と企業・地域・体験を結ぶハブとして安心・安全な移動に加え、新たな移動需要の創出と消費拡大に貢献できるようなサービス・プロダクトに進化させてまいります。

具体的には、以下の3つに注力してまいります。

パーソナライズされた旅行体験の提供

実際に訪日FIT旅行者によってシェアされた旅行、移動そのものを楽しめる交通手段を提案する経路バリエーション、訪日旅行者がまだ知らない日本の魅力的な観光コンテンツを紹介します。そして、AIを活用して、パーソナライズな情報提供やその人だけのオリジナルな旅行プランを立てられるサービスの提供・開発をさらに強化していきます。同時に、新しい観光地へのモチベーションを高め、分散観光にも取り組んでいく考えです。

消費拡大と観光周遊への貢献

交通チケットや体験アクティビティなど、旅行体験価値向上につながる商品のマーケティングを強化します。また、移動サービスの特徴を活かし、旅程の計画段階から滞在中までのタッチポイントを活用して、エリアごとに細分化したプロモーションを展開し、地域観光や周遊、飲食、購買等を含めた消費額を増やすことで、観光業界の活性化に貢献していきたいと考えております。

グローバル市場へのアプローチ強化

世界73の国と地域にわたる路線図・乗換案内サービス「NAVITIME Transit」を提供しています。昨年は東南アジアの鉄道カバー率100%まで拡充し、現在は約60%が日本人以外の利用者で、主に東アジア・東南アジアの観光目的で利用されています。訪日外国人や日本人の海外旅行支援にとどまらず、世界中を訪れる外国人旅行者にも「NAVITIME」ブランドをご利用いただけるよう、路線データや移動情報の拡充によりグローバル領域における旅行者接点をより一層強化してまいります。

本年も一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

株式会社ナビタイムジャパン

メディア事業部 兼 トラベル事業部  事業部長 毛塚大輔

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