キャッシュレス決済ネットスターズ社、大幅な増収増益、今期黒字化に弾み ー2023年12月期決算

宿泊事業者向けのキャッシュレス決済プラットフォームなどフィンテック事業を展開するネットスターズ社は2024年2月19日、上場後初となる決算発表をおこなった。それによると2023年12月期(2023年1月1日~2023年12月31日)の売上高は大幅な増収増益で営業損失は半減、2024年12月期は最終利益の通期黒字化を見通す決算内容となった。

李剛代表取締役社長CEOは、好調な決算の理由として、主力であるキャッシュレス決済事業の決済取扱高(GVP)の大幅な増加や、開発力確保のために続けてきた技術系人材への先行投資がひと段落したこと、さらに「利益率が低い通信事業を昨年4月でいったん休止し、リソースを本業に集中したこと」を挙げた。

当期はGVPが前期の約9000億円から5割近く増加し約1兆3000億円と初の1兆円の大台に乗ったことを受けて、売上高も前期比24.6%増の37億2000万円となり、通信事業休止の影響を調整したベースでは46.1%増。売上総利益も前期比40.6%増の26億2100万円で通信事業を除く売上総利益率は75.1%となった。この結果、営業損失は前期の5億5400万円から3億2100万円に42.0%改善し、最終損失も3億4700万円まで縮小。李CEOは「2024年12月期決算では通期黒字化を見込む」としており、経常利益2億100万円、最終利益1億5000万円の業績予想を発表した。

ネットスターズは2015年に「WeChatPay」を代理店として日本に初めて導入。QRコード決済ゲートウェイサービスのパイオニアとして、約40ブランドのQRコード決済をカバーしている。またクレジットカード(6社)や電子マネーサービス(7社)、ポイントサービスをワンストップで提供しているのが特徴で、決済を仲介する加盟店数は約45万店。ネットスターズでは、主力のキャッシュレス決済サービス事業に加え、オンラインとオフラインを融合し、ECやモバイルオーダー、クーポン、越境EC、予約システム等に関するDXソリューションを加盟店に提供するDXサービスを事業の2本柱としている。

さらに新たな事業として企業間決済に関する請求・支払業務のキャッシュレス化とオンライン化を促進する専用システム「StarPay-Biz」も開発。マスターカードとの協力により「StarPay-Biz」のホテル向け決済ソリューションを提供しており、昨年から藤田観光が導入。バーチャルカード番号(VCN)を使ったホテルの請求・支払い業務に特化し、海外のトラベルエージェントと日本国内のホテルをつなぐプラットフォームとしてホテル業界から注目を集めている。安達源CFOは「ホテルからの問い合わせも多く、非常に面白い分野だと感じている」としており、今後も展開拡大を図っていく方針だ。

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