2024年の航空運賃はピーク超えて下落傾向、アジア発の北米線は5%減の予測、座席供給量の増加で通常モードに

インフレは世界経済に打撃を与えているが、航空運賃には当てはまらないようだ。2024年2月に米国労働統計局が発表したデータによると、2024年1月の米国の平均航空運賃は前年比で6%減、10年前と比較すると15%も下落している。

2024年は国際線の航空運賃はさらに下がると予測している専門家もいる。また、「アメリカン・エクスプレス・グローバル・トラベル・エア・モニター2024」によると、一部の国際線の運賃は最大12%下落する可能性があるという。

アメックスGBTは、2023年比の2024年の世界各地域のエコノミークラスの平均運賃について、南米から北米は11.9%減、北米から中米は7.8%減、アジアから北米は5.2%減、北米から欧州は3.5%減、欧州から北米は1.2%減と予想している。

2023年は、コロナ禍からの急回復で旅行市場は潤った。米国では過去最多となる2400万冊のパスポートを発行した。

こうした中、航空運賃が下落する背景には、供給量の増大がある。

航空データ分析シリウムによると、航空各社は2023年に米国と中米間の便数を2022年と比べて10%増便した。 2024年にはさらに10%増便すると予想されている。

デルタ航空は、記録的な夏となった2023年を踏まえて、今夏には同社史上最多となる大西洋横断便を運航すると発表した。

また、北米からアジアへの路線については、2024年上半期には前年同時期比で新たに550万席が追加される予定。これは全座席数では同35%増になる。

航空運賃追跡サイト「ゴーイング」のケイティ・ナストロ氏は、「座席供給量が増えれば、それだけ価格は下がる。理論的には、2024年は全体の運賃は下がっていくだろう」との見解を示す。

米国発の航空運賃は、夏の「リベンジ旅行」が本格化していた2022年5月に過去最高値を記録した。しかし、運航スケジュールがコロナ前に戻るにつれて、航空運賃も通常に戻ることになる。アメックGBTのジェレミー・クエック氏は「今年の価格下落は異常な下落ではなく、パンデミック前に戻るということだ」と話す。

※本記事は、AP通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。

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