クロアチア・ドブロブニクでも民泊規制、高騰する家賃に歯止め、4分の1まで減少した住民を呼び戻す

写真:ロイター通信

クロアチアの世界遺産都市ドブロブニクは、2024年4月から新たな民間による短期宿泊レンタルサービス(short-term rental:STR/民泊)の規制を導入する計画だ。目的は、観光需要の高まりで住民のための住宅が減少し、高騰する家賃のために出て行かざるを得なくなった住民を呼び戻すことにある。

アドリア海の美しい街ドブロブニクには世界中から何百万人という観光客が集まる。観光はクロアチアの経済にとって重要な収入源だが、狭い路地には観光客がひしめき、家賃は上がり続けている。旧市街地で地元住民が暮らす住居は全体のわずか30%だ。

1990年代初頭のユーゴスラビア崩壊とクロアチア独立戦争の前には、約5000人が住んでいたが、現在は1200人まで減った。4分の1まで減少したことになる。

マト・フランコビッチ市長によると、市議会が4月に旧市街とその周辺地域での新たな民泊を禁止する条例を可決する見通し。市はすでに10年間の賃貸契約で若い家族向けアパートの購入を開始。今後、大規模アパートでの民泊を禁止する予定だ。

この規制に反対する人もいる。ドブロブニクで約150戸を管理するヘデラ・エステート・エージェンシーのベドラン・ミオヴィッチ氏は、民泊施設は大手のホテルやリゾートに比べて「地域社会にとってはるかにいいこと」との見解を示し、「この規制は大手外資に利益をもたらすだけだ」と付け加えた。

一方、旧市街の住民マリヤ・トロイェノビッチさんはこの規制を歓迎。「街を作るのは人。街に人を呼び戻そう」と話した。

※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。

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