フィリピン、カジノ開発を加速、今後5年間で60億ドル投資、日本など近隣諸国との競争に自信

写真:ロイター通信

フィリピン娯楽賭博公社(Philippine Amusement and Gaming Corp)のアレハンドロ・テンコ会長は、同国のカジノ開発に対して国内外の企業が今後5年間で最大60億ドル(約9000億円)を投資する計画があることを明らかにした。今後、マニラ郊外のクラークやセブ島などで、1年おきに少なくとも1カ所のカジノリゾートが新たにオープンする予定だという。

テンコ氏は「今後、電子カジノ分野が拡大することから、カジノビジネスは継続的な成長が見込める」と話している。

テンコ氏によると、フィリピンの総カジノ収入(プレーヤーが賭けた金額から賞金を引いた額)は、2027年には総額4500億ペソ(約1.2兆円)から5000億ペソ(約1.35兆円)に達する見込み。これは、目標よりも1年早い。昨年は過去最高の2850億ペソ(約7700億円)だった。

中国本土から訪れるハイローラー(大金を賭けるカジノ客)は、新型コロナの影響や、富裕層を相手に賭博行為を仲介する「ジャンケット」の規制強化で減ったものの、日本、韓国、シンガポールからのカジノ客や国内の一般市民が、その穴を埋めているという。昨年、フィリピンのブルームベリー・リゾーツや日本のユニバーサルエンターテインメントなどが好調な業績を上げた。

一方、フィリピンは今後、IR開発を進める日本やジノ合法化を検討しているタイなどとの競争に備える必要がある。テンコ氏は「あと、5~6年は足場を固める時間がある。他国のカジノがオープンする頃には、我々はすでに成熟したカジノリゾートになっている」と自信を示した。

※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。

※ドル円換算は1ドル150円、ペソ円換算は1ペソ2.7円でトラベルボイス編集部が算出

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