2024年4月14日のイランによるイスラエルへの無人機攻撃は、世界の航空会社に混乱を引き起こした。欧州とアジアを結ぶ航空便の空域がさらに狭くなったためだ。欧州/アジア路線は、イスラエルとハマス、ロシアとウクライナの間の紛争によって、すでに多くの制約を受けている。
カンタス航空、ルフトハンザドイツ航空、ユナイテッド航空、エア・インディアなど、少なくとも十数社の航空会社がこの2日間、フライトの欠航や路線変更を余儀なくされた。空域と空港を監視するOPS GROUPによると、航空だけでの混乱としては、2001年9月11日の米国での同時多発テロ以来の最大規模。この混乱は数日続く可能性があるという。
多くの航空会社が、イランの空域を欧州とアジアを行き来する路線で使用しているが、今後、イランとイスラエルの紛争がエスカレートすれば、代替可能な路線がトルコ経由かエジプトとサウジアラビア経由の2ルートに制限される可能性があるという。
イスラエルは4月13日に空域を閉鎖したが、翌14日には再開。ヨルダン、イラク、レバノンも上空の飛行を再開している。エミレーツ航空、カタール航空、エティハド航空など中東の主要航空会社は4月14日、一部の便を欠航または路線変更したうえで中東地域での運航を再開すると発表したが遅延や欠航など混乱が続いている。
航空アナリストのブレンダン・ソビー氏は「ウクライナとガザで戦争が続いているが、世界の旅行需要は依然として堅調。政治情勢がさらに不安定になり、紛争が激化すれば、ある時点で人々は旅行を考え直すだろうが、今のところそのようなことは起きていない」との見解を示した。
※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。