農水省、漁村の活性化へ「渚泊(なぎさはく)」推進、観光コンテンツの磨き上げを支援

令和5年度水産白書が閣議決定された。今回の白書では、「海業による漁村の活性化」を特集として取り上げ、「渚泊(なぎさはく)」や 親水性レクリエーションなど地域資源を魅力ある観光コンテンツとして磨き上げる必要性にも触れている。

特集「海業による漁村の活性化」では、漁村をめぐる現状について説明。漁村の立地は、交通などで条件不利地にあるほか、自然災害に対して脆弱であるなど漁業以外の面では不利な条件、漁村の高齢化率が全国平均を約11ポイント上回るなどの課題を指摘している。

そのうえで、漁村は、漁業就業者などの住民の生活の場や水産業の拠点として重要な役割を果たすだけでなく、非日常の漁業体験などの特徴がある。また、漁村集落独特の景観や釣りなどの親水性レクリエーションの機会の提供など地域外の人々を惹き付ける魅力を持っているとして、その地域資源を最大限活かしていくことが重要と指摘した。

釣り人口は約870万人で、都市漁村交流人口は約2000万人と近年増加傾向にある。農山漁村への国内旅行の目的として食や自然・景観に対するニーズが高く、今後はインバウンド需要を取り込むことで地域の活性化が期待できる。

また、漁港は、「コト消費」「トキ消費」の大きなポテンシャルがあり、海や漁村の価値や魅力を活かす海業の取り組みによって、水産業の持続的な発展に寄与していくことが必要と明記した。

来訪者が漁業者とともに漁業体験をおこなうことで、水産業や食生活への理解が深められるとして、 漁村に宿泊・滞在しながら伝統的な生活体験や漁村の人々との交流を楽しめる「渚泊」の推進を提言。 釣りなどの親水性レクリエーションで漁村との交流のきっかけづくりになるとし、実例として宮城県気仙沼港と和歌山県太地漁港の例を挙げている。

農水省、観光コンテンツへの磨き上げを支援

白書では、農林水産省が、 海業の推進に向けて、地域資源の魅力ある観光コンテンツへの磨き上げを支援するとともに、 海業に取り組む際に関連する施策をまとめた「海業支援パッケージ」を作成し、 海業振興に係る相談を総合的に受け付ける「海業振興総合相談窓口(海業振興コンシェルジュ)」を開設していることにも触れられている。

海業の推進のためのポイントとしては、多くの関係者を巻き込んだ取り組みとすること、地域の将来像を踏まえた実践・継続可能な海業の計画づくり、地域の理解と協力の下、漁港と地域資源を最大限に活かした取り組み、漁村への来訪者の安全が十分に確保されていることを挙げた。

そのうえで、農林水産省は今後の取り組みとして、地方公共団体や民間企業などとの連携の枠組みづくりや、子どもたちが海とふれあう機会の創出、海業のコンセプトや魅力の国内外への発信、多様化した消費者ニーズへの対応など、海業の普及啓発を推進していく。

報道資料より

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