東京商工会議所は、全国および東京における「ツーリズムの基幹産業化に向けた産業振興に関する重点要望」を発表した。2024年6月13日に開催された臨時議員総会および常議員会でトラベル&ツーリズム委員会が取りまとめた。
訪日外国人数が堅調に回復している中、来年開催の「大阪・関西万博」「東京2025世界陸上」などを起爆剤として、訪日プロモーションのさらなる強化が求められている一方で、急激な需要の回復による人手の不足や交流需要の偏りの深刻化といった課題もある。それに加えて、アウトバウンドの需要喚起、東京が持つ地域資源のブランド化、文化教育拡充など求められる施策は山積しているとの認識を示している。
そのうえで、3つの重点項目のなかで、新たな要望を国と東京都に対しておこなった。
まず、ツーリズム産業の持続可能な発展に向けた受入環境整備として、新たに観光関連事業者が自発的・持続的に賃上げできる環境整備の推進、交流需要の分散化・平準化、ツーリズムを通じた被災地復興支援を挙げている。
また、東京が持つ魅力を最大限活かした「国際文化都市東京」の実現では、ナイトタイムエコノミーの活性化に向けたビジョン・戦略の策定を求めている。
さらに、双方向交流拡大に向けた東京のさらなる国際競争力強化では、大阪・関西万博を契機とした交流促進として、各国・地域の政府観光局等との連携体制強化および共同プロモーション実施、海外渡航の促進に向けた費用負担軽減などによるパスポート取得支援を含めた。