ブッキング・ドットコム(Booking.com)はこのほど、世界34の国・地域の3万1000人以上の旅行者を対象に「サステナブル旅行」に関する調査を実施した。その結果によると、世界の旅行者の75%が「今後12ヶ月間に、よりサステナブルな旅行をしたい」と回答。日本の旅行者については、世界を大きく下回る53%となった。
「訪れた場所について、到着したときよりも良い状態で旅行先を後にしたい」との回答は世界では71%だったのに対し、日本は56%。「旅行が環境に与える影響に対して、自ら働きかけることができる」との回答についても、日本は世界の45%を下回る35%となった。
また、世界の旅行者の67%、日本の旅行者の42%が「旅行中にサステナブルな取り組みを体験することで、日常生活でも、よりサステナブルな生活を意識しようと思う」と回答した。
サステナブルな旅行への失望がモチベーション低下に
一方で、調査結果からサステナブルな旅行に対する失望感が旅行者のモチベーションを低下させている可能性もうかがえた。
世界の旅行者の4人に1人(25%)は、自分たちが環境に与える影響について「世間で言われているほど、気候変動は深刻ではない」と回答。日本でも21%にのぼった。
また、世界の旅行者の3人に1人(33%)、日本の旅行者の29%は、自分たちが環境に与える影響について「すでに生じたダメージは回復不可能で、旅行者の選択によって状況が変化することはない」と答えた。
「旅行に費やす時間は貴重であり、サステナビリティを意思決定時に考慮する項目のトップに据えることはできない」と感じている旅行者は世界では28%、日本では32%となった。
さらに、世界の旅行者の34%、日本の旅行者の23%が、「サステナビリティへの取り組み自体が実施されていない旅行先で、よりサステナブルに過ごそうとすることは難しい」と考えていることも明らかになった。この回答が多かったのはタイ(56%)、インド(53%)、アラブ首長国連邦(52%)の旅行者。
世界の旅行者の43%、日本の旅行者の32%は「旅行サービス業者が、環境要因への対応のカギを握っている」と回答し、世界の旅行者の40%、日本の旅行者の38%は「旅行や観光がもたらす影響について人々を啓蒙する責任は、政府にある」と考えていることも分かった。
このほか、「よりサステナブルな宿泊施設に魅力を感じる」は世界で半数近くになるものの、サステナビリティに関する認証を得ることができた根拠について、詳しく知りたいと思っている世界の旅行者の割合は、2023年の69%から52%に低下した。