国内旅行の業況感はプラスに転化、海外からのシフトも

日本旅行業協会(JATA)の旅行市場動向調査(2013年6月期)によると、4月~6月の国内旅行全般の業況感は3ヶ月前より24ポイント増加し+8となった。プラス転化は、2007年7~9月期以来、23期ぶりのこと。前回予想の-5から13ポイント上昇。「円高による海外旅行から国内旅行へのシフトが起きている」(第1種:総合旅行会社)との指摘もある。

方面別では東京が19ポイント増の+28と、15期連続でプラスに。また、東北が33ポイント増、北海道が29ポイント増、山陰が16ポイント増、愛知・三重・岐阜が14ポイント増など、九州と沖縄・奄美以外の12方面で上昇した。東京スカイツリーや東京ディズニーリゾート30周年、出雲大社や伊勢神宮の式年遷宮など、核となるイベントや施設への人気が明確に表れている。

3ヶ月後(7~9月)はさらに7ポイント上昇し、+15ポイントの見通し。すべての業態でプラスの見通しをたてている。特に総合旅行会社が17ポイント増の+46ポイント、国内旅行ホールセーラーが41ポイント増の+33ポイント増となり、「北海道、九州、沖縄など、比較的長い期間のツアーが良い」(第1種:総合旅行会社)と、期待が高い。

ただし、「年式遷宮の影響か、伊勢や出雲の需要が活発となり、宿泊施設の確保が難しくなってきた」(第1種:国内旅行ホールセラー)など、需要の増加を受けきれない状況も見られるようになってきた。このほか、「団体型の温泉地への送客が落ち込む傾向にあり、都市部のホテルに需要が集中しているように思われる」(第1種:総合旅行会社)など、需要の変化を指摘する声もあった。

同調査は2013年5月23日~6月7日まで、JATA会員各社の経営者などを対象に実施。622社のうち337社から回答があった。

参考記事 >>> 海外旅行の業況感下落、韓国の低迷続き、夏の回復に期待

(2013年7月2日)

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