2014年3月31日から始まるNHK連続テレビ小説「花子とアン」。この物語は、カナダ・プリンスエドワード島を舞台にしたモンゴメリの小説「赤毛のアン」の翻訳者・村岡花子氏の生涯を描いたドラマだ。ドラマの舞台は日本となるものの、回想シーンなどで現地プリンス・エドワード島の露出が増えることから、関係者の旅行者増への期待は高い。
2014年にカナダ・プリンスエドワード島の話題が集まることを見据えて、プリンス・エドワード島州政府観光局とエア・カナダ(AC)は、このほど旅行業界向けのセミナーを開催。同島の観光情報やアクセスなどの情報提供やプロモーションについて発表した。
同州政府観光局によると、近年の同島への日本人旅行者数は安定しており、6000名から7000名で推移している。セミナーの場では、広報マネージャー、ロバート・ファーガソン氏は「6ヶ月間にわたってプリンス・エドワード島の露出が増えることは初めてのこと。」と語り、今回の露出で2014年以降の旅行者増への期待感を示した。
また、エア・カナダとプリンス・エドワード島州政府観光局は、ドラマに合わせて共同のプロモーションなど積極的に展開していく方針だ。そのひとつとして、旅行会社の販売促進を後押しすることを目的に、エア・カナダを利用したフライトで同島を訪れるツアー参加者に現地で作られたジャムを提供する。対象期間は、2014年4〜6月で、ジャムは現地で旅行者にわたされる。旅行商品販売時に旅行者への付加価値として提案が可能だ。
▼「赤毛のアン」と「食の魅力」で、満足度の高い商品づくりを
プリンス・エドワード島は、レストランガイドのザガットで食を楽しめるデスティネーションのトップ8(8 Awesome Foodie Getaways Around the World)にランキングするほど食が充実している。歴史的には、スコットランドやアイルランドの移住者がそれぞれの食文化を融合させ、野菜や魚介などの食材に恵まれた地であることから、食文化が発展したという。特に、シーフードはロブスターやカキ、ムール貝が有名だ。
同島州政府観光局、日本代表の高橋由香氏は、セミナーでこうした食文化の高さ触れ、旅行会社に対して体験型のカリナリーツーリズムやアグリツーリズムをテーマにした旅を提案。「赤毛のアン」にプラスすることで「ゆったした滞在で楽しんでもらえる」点とアピールした。また、「赤毛のアン」をテーマに旅行商品をつくるにあたり、同島へのアクセスとしてノバ・スコシア州からのフェリーを紹介。同州で育ったアンは、フェリーを使ってプリンス・エドワード島を初めて訪れており、こうした演出も旅行者に喜ばれるポイントだという。
同島への日本からのアクセスは、州都シャーロットタウンへのフライトが一般的。エア・カナダを利用すると、トロント、オタワ、モントリオール、ハリファックスから直行便が運航されている。特に、夏スケジュールではトロント/シャーロットタウン間は1日3便運航されており、往復ともに日本からの同日乗り継ぎが可能だ。エア・カナダのワイス支社長は、同社が来年の羽田空港昼間時間帯の発着枠を獲得していることに触れ、羽田/トロント線の開設が実現すれば「日本各地からプリンス・エドワード島に便利なフライトを提供できるようになる」と同社のネットワークの充実をアピールした。