2013年の倒産件数、旅行業・宿泊業ともに2年ぶり増加

東京商工リサーチによると、2013年の旅行業の倒産件数は前年より11件多い48件(前年比29.7%増)となり、2011年以来2年ぶりに前年を上回った。個人消費と旅行需要の回復で大手旅行会社は業績を伸ばしているものの、中小・零細企業は厳しい状況にあるという。特に韓国・中国方面の旅行の取扱いの多い中小の旅行会社も多く、外交関係の悪化や大気汚染問題の影響で同方面への日本人旅行客の減少が続く場合は、経営悪化に直結する可能性があると指摘する。

宿泊業の倒産件数は、前年より6件多い118件(5.3%増)となり、こちらも2年ぶりに前年を上回った。倒産形態別でみると、事業の解体・消滅である破産が全体の66.9%。また、大規模の事業所が会社分割を利用して不良債権を旧会社に残し、特別清算による法的整理を行なって、新会社で事業再生を目指すというケースもあったという。東京商工リサーチでは今後も、多様な事業再生が増えるとみている。

なお、東京商工リサーチでは注目業種の倒産動向調査結果として、旅行業と宿泊業のほか、老人福祉・介護事業とスーパーの倒産件数も発表。老人福祉・介護事業は前年より21件多い54件(63.6%増)で、2000年以降最多に。スーパーは前年より4件少ない67件(5.6%減)で、4年ぶりに前年を下回った。

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