オリエンタルランドグループは2014年度から2016年度を期間とする「2016中期経営計画」を策定した。先ごろ、長期的な経営の方向性として掲げた、2023年に目指す「2023ありたい姿」における最初の3年間にあたる。
コア事業である東京ディズニーリゾートでは、2023年までに入園者レベルを年平均3000万人レベルに引き上げることを目標とする。開園30周年を迎えた2013年は3000万人を超えたが、周年記念のない平年と比較すると200万人~300万人の増加が必要だという。
このため、シニアの人口増加や訪日外国人の増加など、マーケットの変化に対応し、テーマパークの価値最大化に努める。2014年からの10年間で5000億円程度を投資し、事業基盤の形成に取り組む。シニア層の増加に対しては、戦略上のメインターゲットを「世代を超え、親子や夫婦など、あらゆる形態を含むファミリー」に設定し、低年齢層を含む家族向けのプロダクトを拡充。また、シニアや訪日客向けの環境整備を推進し、さらなる来園促進に繋げる。
なお、2016中期経営計画では大型投資の原資となる営業キャッシュ・フローの最大化を目指し、3年間で2800億円以上とする。最終年度の営業利益は1000億円レベルを目指す。また、「2023ありたい姿」では新規事業による成長として、舞浜エリア外での新事業の確立に言及。事業領域を「今までにない新しい価値・体験を通じて、夢、感動、喜び、安らぎを提供できる事業」とし、新規事業の規模が1セグメントレベルになることを目指す。
▼2016年までの投資計画と今後の方向性
2016中期経営計画中には、東京ディズニーランドで2014年5月29日に「ワンス・アポン・ア・タイム」、2015年夏に「リロ&スティッチ」の新アトラクションをオープンする予定。2014年9月8日にはリニューアルした「ジャングルクルーズ」を開始する。東京ディズニーシーでは2015年春にリニューアルした「マーメイドラグーンシアター」をオープンするほか、2015年度中には「メディテレーニアンハーバー」の改良も完了。2016年に15周年を迎える。このほか、テーマパーク価値の最大化を図る大規模投資案件を決定する予定だ。
2023年に向けては東京ディズニーランドでエリア一新などインパクトのある大規模開発、東京ディズニーシーでは拡張用エリアでの大規模開発などを視野に入れている。このほか、特別イベントとマーケティング活動を組み合わせ、需要の平準化による入園者数の増加と、体験価値の向上による中長期的な単価の向上も目指していく。
▼関連記事
東京ディズニー、2013年の2パーク合計入場者数が過去最高の3129万8000人に(2014年 4月 8日)