楽天が発表した2014年12月期第1四半期(2014年1月1日~3月31日)連結業績で、楽天トラベル(トラベル事業)の予約流通総額(予約受付時の流通総額、キャンセル前・税別料金に換算)は前年比13.5%増の1376億円、売上収益は前年比9.1%増の85億3600万円、営業利益は11.1%増の33億円となった。
楽天トラベルでは、中国のオンライン旅行サイト「快楽e行」と業務提携により中国国内でのトラベル事業に参入していた。しかし、2014年5月8日に開催した2014年第1四半期の決算説明会で、楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は「難しかった」として、撤退を発表。日本のクロスボーダービジネスに集中する。そのため、営業利益は「快楽e行」ののれん代と無形固定資産の減損分として、18億2900万円を控除している。
▼国内Eコマースの流通総額は31.7%増の5033億円
モバイルなどのスマートデバイス経由は62%増に
一方、楽天市場の売上収益は27.1%増の385億6000万円、営業利益は18.3%増の208億9500万円と大きく成長。国内Eコマースの流通総額は消費増税前の駆け込み需要があり、31.7%増の5033億円と大幅に増加。3月に限れば52.5%増となった。ただし、4月以降も最悪のシナリオをはるかに超える実績となり、反動減からの回復も予想以上の推移だという。
また、Eコマースのうち、モバイル・タブレットのスマートデバイス経由の流通総額は62.8%増と、大きく伸びた。Eコマース全体における楽天グループのシェアは28%だが、モバイルコマースに限ると49%とほぼ半数を占める。三木谷氏は「このような数字は世界のどこにも類を見ない。モバイルコマースでは支配的な立場にある」と自信を示した。