AP通信によると、2019年後半の香港への訪問者は、警官と反政府デモとの衝突によって、前年比で39%減少、通年では同14%減となった。香港政府観光局(HKTB)の発表では、逃亡犯条例改正案に対する抗議が始まった昨年7月から訪問者数は減少し始めている。
警察と反政府デモとの衝突以来、世界で最も安全な都市のひとつと言われていた香港の評価は下がり、香港経済も停滞している。香港のPaul Chan財政長官は、2019年の経済成長率はマイナス1.3%に落ち込むと発表した。小売業や飲食業を含めた観光関連の売上は、2019年10月と11月で前年よりも26%も落ち込んだ。
しかし、HKTBのY.K. Pang会長は、「香港の回復に自信を持っている。引き続きワールドクラスの旅行デスティネーションとして香港をアピールしていく」とコメント。HKTBは、プロモーションイベントやホテル、フライト、ショッピング、アトラクションなどを組み込んだ特典を用意していると付け加えた。
一方、反政府活動は地下にその場所を移している。Lau Kong-wah内務長官は、今年の旧正月の花火大会が中止になったのは「安全性の懸念からだ」と明らかにした。
香港ではインバウンドは大打撃を受けている一方で、出国者数は好調。中国人コミュニティーにとって最も重要な休暇シーズン「春節」が1月25日から始まる。香港の観光市場がどう動くか、推移に注目だ。