観光庁は、2018年1月の通訳案内士法改正によって、通訳ガイドの業務独占が撤廃され、資格を持たないガイド(外国語ガイド)が参入可能となったことを受けて、外国語ガイドの実態把握調査を実施した。調査は、全国の旅行会社、マッチングサイト運営会社、DMO、外国語ガイド管理組織に所属している外国語ガイドに対して行われたほか、主要観光地に訪れた外国人に対して、電話・WEB・インタビュー・訪問ヒアリングなどで実施した。
調査結果によると、地域別では、外国語ガイドは関東(51.6%)と近畿(28.5%)に偏りが見られ、その他の地域では、北海道3.2%、東北1.1%、北陸信越1.0%、中部5.9%、中国1.4%、四国1.2%、九州5.6%、沖縄0.6%となり、地方を訪れる訪日外国人も増えていることから、地方でのガイド不足が課題となっている可能性が見えた。
また、言語別では、通訳案内士は全国的に半数以上が英語であるのに対して、外国語ガイドは半数以上が英語以外で、中国語での対応が多い。年齢別では、外国語ガイドは40代が最も多く、次に30代。50代、60代が多い通訳案内士と比べて年齢層が若いことも分かった。
ツアー時間では、外国語ガイドで最も多いのは2~4時間。一方、通訳案内士は6~10時間。外国語ガイドが得意なツアー分野は、ローカルカルチャー(街歩き、商店街)ツアーやグルメ・ドリンクツアー、ショッピングツアーなどで、通訳案内士に対する優位性が見られた。
このほか、外国語ガイド管理組織(ボランティア通訳ガイド団体以外)では、約半分(47.6%)が組織的に先輩ガイドによるOJT教育、研修、情報交換会などのガイド育成を行っており、個別ヒアリングを行った14組織のうち9割が外国語ガイドに対する評価活動を行っていた。