観光庁が2020年8月31日に発表した宿泊旅行統計調査によると、2020年7月(第1次速報)の延べ宿泊者数は前年同月比56.4%減の2258万泊だった。このうち、日本人は45.7%減の2226万人泊、外国人は97%減の32万人泊。新型コロナウイルスの影響でインバウンド需要がほぼ絶たれているなか、日本人に限ると、6月(第2次速報)の61.2%減・1406泊に比べ、マイナス幅が15.5ポイント改善。国内宿泊需要の緩やかな回復が見てとれる。
7月の客室稼働率は全体で30.4%。依然として低水準ながらも、5月の12.9%、6月の22.8%からは改善した。もっとも、依然として宿泊業界の現状は厳しく、例年稼働率が高いビジネスホテルも39.5%で前年同月に比べ36.6ポイント減、シティホテルは55.2ポイント減の25.4%、リゾートホテルは35.2ポイント減の24.4%、旅館は17.1ポイント減の21.4%にとどまった。
なお、6月の延べ宿泊者数を都道府県別でみると、最も落ち込みが大きかったのは5月に引き続き沖縄の81.7%減で49万3700人泊。人泊ベースでは、東京が77%減の141万2770人泊、大阪が79.2%減の79万9310人泊、北海道74.5%減の78万6910人泊と、トップ3を占めた。ただ、観光地を多く抱える静岡が63.2%減61万7700人泊で4位に食い込んでおり、温泉宿でのおこもり需要などが動き始めた様子もうかがえる。