公益財団法人日本交通公社は、「新型コロナウイルス感染症流行下の日本人旅行者の動向(その7)」を発表した。新型コロナウイルス流行による旅行市場への影響の把握を目的に定期的に実施している調査の結果で、今回は2020年5月に調査した1月~3月期の結果に、7月に調査した4月~6月期の結果を加え、この半年間の動向を整理した。
これによると、旅行を「予定通りに実施」した割合は、1月(92.6%)以降、緊急事態宣言が発出された4月(65.6%)にかけて減少。ただし4月以降は、増加に転化し、6月には3月(73.0%)を上回る76.7%に回復した。
コロナ禍で変更した国内旅行の内容は、いずれの月も「活動内容や訪問先」が最多。具体的には、「まち並み散策・まち歩き」「温泉」など、人が密集しいやすい空間でのアクティビティが避けられるようになった。一方で、旅行実施時の感想では「混雑がなく快適」が4月~6月にかけて最多。6月には北海道と東京都への旅行では6割、京都府への旅行では8割の人が混雑を感じない旅行をしており、訪日観光客の減少の影響がうかがえる。
また、旅行実施時の気持ちについては「心配しても仕方がない」や「旅行先の観光地を応援したかった」が、時間を追うごとに徐々に増加傾向に。一方で「新型コロナウイルスに対する不安は感じなかった」や「今の状況では自分にあまり関わりはないと思った」は減少傾向にあり、旅行者がコロナの影響を意識しながらも、旅行実施をしている姿が見てとれた。
旅行中の感染対策についても、「マスク着用」「手洗い・うがいの励行・徹底」などが、月を追うごとに増加。「何もしていない」は1.8%にまで減少し、新しい旅行スタイルに取り組む人が多いようだ。調査結果は、以下のリンク先へ。