ツーリズムEXPOジャパン、今年の沖縄開催はハイブリッド型に、2021年は2度目の大阪開催へ

日本旅行業協会(JATA)は2020年9月17日の定例会見で、2020年10月29日~11月1日に開催する「ツーリズムEXPOジャパン沖縄」の開催概要について、最新情報を発表した。

今年は、新型コロナウイルスの感染状況に応じ、テーマやプログラム内容を変更している。来場者には来場自粛の基準を提示した上で、マスク着用義務と感染拡大防止アプリ「COCOA」の利用を要請、入場時の検温を実施する。

ツーリズムEXPOジャパン(TEJ)推進室長の早坂学氏は、「コロナ禍にあった展示会に変えていかなくてはならない」と述べ、ニューノーマル時代の新しいMICEの形を作りながら開催することを強調。(1)ハイブリッド型、(2)ソーシャルディスタンス、(3)非接触型、の3つの新スタイルで運営し、安心安全なイベントモデルを示すことを説明した。

(1)ハイブリッド型では、コロナ禍で特に海外からの来日が難しい現状をふまえ、業界日の商談会と国際会議を現地開催とオンライン開催の2タイプで実施する。商談会では通常のリアルでの対面式に加え、セラーのブースに設置されたPC画面を通し、会場に来場したバイヤーと現地のセラーが商談をできるようにする。在日観光局を中心とするリアル出展者に加え、中国などオンライン出展者とのアポイントも入っているという。

一方、国際会議では、予定していた観光大臣会合は、在日の各国大使と日本の観光関係の要人による「インターナショナルツーズムフォーラム」に変更。観光大臣からのビデオメッセージも組み合わせ、基調講演と同フォーラムをオンラインで同時中継し、遠隔地でも視聴できるようにする。YouTubeで後日配信するほか、UNWTOやWTTCとの協力のもと、世界にも発信するという。

(2)ソーシャルディスタンスの厳守では、セラーやバイヤー、関係者、一般入場者などすべての来場者数をイベント開催人数の制限(最大5000名、または収容人数の50%)にあわせて運営。今年は沖縄でのイベント慣習に応じ、一般入場者の来場も無料としているが、来場者は事前登録制にして管理し、事前発行のQRコードを各会場の入口・出口で認識して入場者数をコントロールする。

(3)非接触型では、人との接触を極力避ける目的で、会場内のパンフレットや試食・試飲などは配布ではなく、来場者自身が手に取る形式とする。また、会場外でのフードコーナーでは、交通ICカードやスマホ決済などのキャッシュレス決済を導入する。

現在のところ、業界日の来場は開会式で約800名、商談会で約150名の計1000名程度を想定。一般日には、最大5000名を1日2回に分けた予約制とするため、2日間で2万名の来場を見込む。

早坂氏によると、先日、沖縄で現地メディア数十社を訪問した際、各社から「沖縄としても経済、観光産業の復活の起爆剤としたいので応援する」という期待の声が聞かれたという。

JATA理事・事務局長の池畑孝治氏は、コロナ禍で様々な展示会や商談会がオンライン化するなか、TEJがリアル開催をすることについて、「ツーリズムEXPOジャパンの責任としてやっていく」と強調。GoToトラベルキャンペーンにこれまで約1400万もの人が利用したなか、感染者数は想定以下にとどまっていることを踏まえ、「感染防止を配慮した行動をすれば、両立できることを示している」と力強く述べた。

今後、GoToキャンペーンで10月に東京除外が解除され、地域クーポンが始まり、需要喚起策がさらに本格化する。池畑氏は「消費者向けに旅の楽しさをアピールしながら、業界関係者の商談も成立させる重要な局面に入っている」とし、「こういう時代だからこそ、旅のチカラを皆さんに見て、感じていただく機会にしたい。ツーリズム産業を盛り上げたい」と訴えた。

沖縄開催・プログラムのポイント

初の沖縄開催となる今年は、初開催のプログラムも多数用意した。

「ResorTech Okinawaおきなわ国際IT見本市」のほか、「フェスティバルウイーク」を同時開催する。同イベントで3000名の集客を見込むが、うち500名はTEJのコアファンを中心に沖縄以外からの来場を見込む。

「フェスティバルウィーク」では、一般消費者向けに映画やダンス、食・文化のイベントを開催。10月30日~11月1日には、沖縄の地産地消コーナーや島内のキッチンカーを集めた「フードフェスティバル」や、最終日には、吉本興業の協賛で毎年開催されている「沖縄国際映画祭」のメイン会場として、4、5本の映画上映も予定する。

また、業界日のフォーラム&セミナー(10月30日)に、テーマ別シンポジウムを開催。沖縄らしい「星空観光」「アドベンチャーツーリズム」に加え、「DX(デジタルトランスフォーメーション)による沖縄観光の可能性」のシンポジウムも行なわれる。

2021年は大阪・関西で万博のキックオフに

2021年の開催地は、東京オリンピック・パラリンピックの開催が延期となったことから、2019年に開催実績のある大阪・関西に決定。2021年11月25日~28日までの4日間、インテックス大阪を会場に、2025年の国際博覧会(万博)のキックオフを兼ね、観光産業の復活を世界に発信する。

出展の申込受付は、今年の沖縄開催初日である2020年10月29日から開始。今年の沖縄と東京の出展者には特別割引プランを提供するほか、今年の出展がない場合でも、早期割引料金を用意する。

ツーリズムEXPOジャパン 

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