日本政府観光局(JNTO)が発表した2020年9月の訪日外国人旅行者数(推計値)は、前年の227万人から99.4%減となる1万3700人だった。12か月連続で前年割れとなったが、半年ぶりに1万人を超える数値となった。
市場別にみると、中国(99.6%減の3000人)とベトナム(93.0%減の2700人)、韓国(99.3%減の1400人)、タイ(98.4%減の1000人)の4市場で、4ケタの訪日旅行者数があった。
ベトナムとタイは他国に先行して7月29日に、9月には台湾やマレーシア、シンガポールでレジデンストラック(長期滞在者用)がスタート。また。9月18日にはシンガポールでビジネストラック(短期出張者用)が開始されたが、渡航者は全体で30名と半月では大きな伸びにはつながらなかった。
世界的に国境の状況をみると、欧州など一部で出国制限の解除が始まっているものの、アジアを中心に渡航制限措置を続ける国は多く、今後も厳しい状況が続く。JNTOも、今後の市場動向を注視していく必要があるとしている。
なお、航空データOAG社によると、9月の国内主要6空港に到着した国際線の実績合計は、便数で前年比86.8%減の2828便、提供座席数で87.1%減の63万6594席で、8月とほぼ同水準だった。
訪日外国人数の月次推移と市場別の数値は以下のとおり。