日本政府観光局(JNTO)によると、2020年9月の訪日外客数は前年同月比99.4%減の1万3700人(推計値)にとどまった。6カ月ぶりに1万人を超えたが、12カ月連続で前年同月を大幅に下回った。
このうち、主要の東アジアは韓国が99.3%減の1400人、中国が99.6%減の3000人、台湾が99.8%減の800人、香港が99.9%減の90人で、合計で99.7%減の5290人だった。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、いずれも日本政府による上陸拒否、検疫強化の対象となっており、9月の近隣諸国の訪日インバウンドの需要も事実上絶たれた状況が続いた。
一方で、国際的な人の往来再開に向けた段階的措置として、日本と台湾との間では9月8日から「レジデンストラック」(駐在員など長期滞在者用に入国後14日間の自宅など待機は維持しつつ例外的に往来を認める仕組み)の受付が始まったが、ほとんど動かなかったこともわかる。
また、現地政府の措置では、韓国が海外旅行の中止、延期を国民に要請する特別旅行注意報を10月18日まで延長したほか、台湾も日本への渡航警戒レベルは不要不急の渡航自粛が続いている。中国政府外交部は海外旅行自粛を指示。香港政府も中国本土、マカオ、台湾を除くすべての国・地域への海外旅行の自粛を要請している。
需要急減とともに、日本行きフライトの運休、減便も続いている。航空データOAG社によると、9月に東アジア4か国・地域から日本に到着した国際航空は便数で前年同月比89.7%減の1559便、提供座席数で89.9%減の31万6015便と、前年同月の1割程度にとどまった。
国・地域別では、韓国が82%減/823便、82.5%減/15万9026席だったのに対し、中国が90.9%減510便、90.6%減/9万9922席、台湾が95.2%減/152便、95.2%減/3万4353席、香港が95.8%減/74便、94.9%減/2万2714席と、大幅減少の中でも韓国以外がとりわけ際立つ状況は依然として変わらない。
韓国・中国・台湾・香港の直近12カ月の推移は以下のとおり。