GDSのアマデウス社が、世界中で実証が始まっているスマホアプリ「デジタル健康パスポート」についての意識調査を実施、結果を発表した。この調査は、過去18か月間に海外渡航の経験があるフランス、スペイン、ドイツ、インド、UAE、ロシア、シンガポール、英国、米国の9055人を対象に2021年2月に行われたもの。
それによると、「デジタル健康パスポートは旅行再開の切り札になる」との回答は全体の91%にのぼった一方、「健康データの保管方法に懸念がある」との回答もほぼ同じ割合の93%になった。
具体的に、デジタル健康パスポートに肯定的な考えとしては、73%が「対面でのやり取りが少なく、迅速な入国が可能になる」と回答。また、72%が「より多くの国や地域に旅行に行けるようになれば、デジタル健康パスポートに健康データを保存する」と答えた。このほか、「よく利用する航空会社がデジタル健康パスポートを提供した場合、健康データを共有する」との回答は68%となった。
一方、主な懸念は、「個人情報のセキュリティリスク(38%)」「健康情報に関するプライバシー保護(35%)」「データを共有する組織の透明性と管理(30%)」の3つに分かれた。
アプリの汎用性については、42%が「旅行系アプリで一括して利用できれば、旅行体験が大幅に向上する」と回答。また、「旅行会社が信頼できる医療会社と連携すれば、旅行系アプリに健康データを保存する」との回答は62%にのぼった。
このほか、海外旅行の再開についての調査では、ワクチン接種が進み、デジタル健康パスポートの実装も進むと見込まれることから、41%が「旅行制限解除後6週間以内に再開する」と答えた。