JTB総合研究所は2021年4月26日、今年のゴールデンウイーク(GW)期間中の国内旅行者数は950万人になるとの予測を発表した。前年比では約1.9倍だが、新型コロナウイルスの影響がなかった2019年比では約6割減に陥ると試算している。同じく、国内旅行総消費額は3069億円で前年比の約2.1倍となるが、2019年比では約3分の1、実額にして5551億円減少。旅行市場への影響が依然として大きい状況だ。
調査は「2021年GW(4月25日~5月5日を含む旅行)の旅行を取り巻く環境と意識調査(JTB)」、各種消費者アンケート、経済指標、観光統計、宿泊施設や交通機関の予約状況・運行状況などから算出した。
JTB総合研究所によると、新型コロナの感染再拡大に伴い、政府が緊急事態宣言を東京、大阪、京都、兵庫に4月25日から発出。さらに「まん延防止等重点措置」も対象地域を拡大したが、緊急事態宣言の対象が全国だった昨年と異なり、一定数の旅行者は増えると推測する。1人あたりの平均費用は前年比12.5%増の3万2300円、国内旅行総消費額は前年比113.8%増の3069億円になる見通しだ。
JTB総合研究所では、旅行を予定している人は、新型コロナの感染予防を最優先し、直近の年末年始よりもさらに域内志向が高まっているとみる。旅行費用については、域内旅行志向による平均泊数の低下、将来不安による抑制傾向が見られる一方で、実際の暮らし向きはそれほど悪い状況ではなく、1人あたりの平均費用は2020年GWの2万8700円を上回ると予測している。