GWに「旅行に行きたい」はわずか1割、緊急事態宣言で旅行中止判断も、3泊まで/3万円未満が8割に

JTBは2021年4月22日、「ゴールデンウイーク(GW)の旅行を取り巻く環境と1泊以上の旅行に出かける人の意識調査」を発表した。これによると、GWに旅行に「行きたい」と考えている人は10.3%と例年の半分以下にとどまる見通し。場所も新型コロナを意識して域内志向が高まるようだ。

調査は4月9~14日の期間中、全国15~79歳の男女2万名を対象に実施。このうち「GW(2021年4月25日~5月5日)に国内旅行に行く/たぶん行く」と回答した人1535名を抽出し、本調査を実施した。

事前調査の2万名への調査で、GW期間中に「行く」と回答した人の割合は10.3%で、2018年の25.2%、2019年の26.3%を大きく下回った。旅行に行かない理由としては「新型コロナウイルス感染症がまだ収束していないから/拡大の懸念があるから(63.9%)」が最も多く、次いで「GWは混雑するから(22.4%)」、「家でのんびりしたい(15.4%)」となり、新型コロナが大きく影響していることがわかる。

一方、旅行に行く目的や理由については、「リラックスする、のんびりする(40.6%)」、「家族と楽しく過ごす(38.8%)」などが多く、旅先でゆっくり過ごしたい意向がうかがえる。

発表資料より

3泊までの旅行が8割に、費用は3万円未満が8割

「GWに旅行に行く/たぶん行く」と回答した1553名の旅行内容について聞いたところ、3泊までの旅行が全体の8割以上を占め、短期旅行の傾向が表れている。旅行先は「関東」が20.5%で最多。「近畿(13.7%)」、「東海(11.1%)」が続いた。居住地別に旅行先をみると、全国的に旅行先と居住地が同じ域内旅行の割合が高いことから、JTBは「自家用車など他人との接触を避けて行くことのできる近距離の観光地が旅行先に選ばれ、また普段泊まらない域内の都心のホテルも選択されている」などと推測している。

一人あたりの旅行費用は「1万円~2万円未満」が23.8%で最も多く、「1万円未満(21.3%)、「2万円~3万円未満(20.1%)」と、3万円未満が6割を占める。利用交通機関は「乗用車・レンタカー」が65%と、公共交通機関より乗用車を利用する傾向が見られた。利用宿泊施設は「ホテル」(38.2%)、「実家や親族の家(24.1%)」、「旅館(20.2%)」の順だが、「キャンプ場・グランピング・キャンピングカー・車中泊など、アウトドアに関する宿泊(7.2%)」も一定のボリュームを有している。

緊急事態宣言で旅行中止判断も

なお、新型コロナの感染が増加傾向にある中で、旅行において特別に考慮したことを聞いたところ、「公共交通機関を使わずに、自家用車やレンタカーを使う」が36.5%で最も多く、「少人数での旅行にとどめる(32%)」、「家族・親族や親しい友人以外には合わない(30.6%)」、「感染者数が増加傾向の地域は避ける(21.8%)」が続いた。また、政府は4月23日、新型コロナの感染再拡大を受け、東京都や大阪府など1都3府県に緊急事態宣言を出す方針を固めたが、旅行先に緊急事態宣言や自粛要請が発出された段階で、旅行中止を判断したいとの回答も多かった。

発表資料より


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