欧州連合(EU)、今夏にワクチン接種者による域内旅行の制限緩和へ、域外の状況で「緊急ブレーキ」も

欧州連合(EU)は2021年5月3日、世界でワクチン接種が進むなか、今夏にEU27カ国域内での旅行制限を緩和する提案を行った。現在のところ、EU域内の旅行については、感染率の低い一部の国に限定されている。

EUの提案では、欧州医薬品庁(EMA)が認可したファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ジョンソン&ジョンソンのワクチン接種を完了した人すべてが対象になる。ロシアと中国のワクチンについてはまだ認可していないが、EMAは現在、ロシア製スプートニクVについては審査を行っているところ。

一方、提案には、域外での新しい変異株発生や衛生状況の悪化などに対応するため、加盟各国が迅速に渡航制限をかけられる「緊急ブレーキ」の条項も含まれることになる。

欧州委員会は、この提案が採択されれば、6月中の実施を望んでいるが、旅行制限緩和の措置に法的拘束力はなく、実施は加盟国の判断に委ねられる。

また、欧州委員会には、EU域外からの旅行者についても、ワクチン接種者の受け入れを緩和すべきとの考えがあるが、現在のところ具体的な計画はない。EU域外については現在、感染者が少なく、EUが定めた基準を下回っている7カ国からの受け入れが認められているが、その基準を、14日間の累計感染者数が人口10万人あたり25人から100人まで緩和する案が検討されているところだ。

欧州委員会によると、今後イスラエルからの入国は認められるとの見解を示してるほか、米国については、ワクチン接種が急速に進んでいることから、今後の状況を見極めるとしている。

EU当局と加盟国は、旅行制限緩和に合わせて、ワクチン接種歴やPCR検査の陰性証明として活用するデジタルグリーン証明書についても導入に向けた検討を継続している。

EU加盟国の中でも、観光に大きく依存しているギリシャはすでに米国、英国、イスラエル、EU加盟国からの旅行者に対して入国後の隔離措置を解除している。

ハンガリーは、ワクチン接種者や回復者に対して、免疫カードの発行を始めた。これを提示すれば、屋内ダイニングルーム、ホテル、劇場、映画館、スパ、ジム、図書館、美術館、その他の娯楽施設に入場することが可能になっている。

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