英国の観光振興を行うビジット・イングランドは、新型コロナウイルスに関する規制が解除されたことを受けて、国内旅行需要を喚起する「Escape the Everyday」キャンペーンを強化する。このキャンペーンは2020年9月に立ち上げられたもの。今夏のキャンペーンでは、海外旅行者の減少で大きな打撃を受けている都市、地方の観光地、アトラクションなどに焦点を当て、旅行需要を喚起していく。
キャンペーン総額は540万ポンド(約8.2億円)。各観光地の体験素材をデジタル広告、ラジオ、ポッドキャストなどのプラットフォームで紹介するほか、8月からはテレビ広告も展開し、国内旅行の機運を高めていく。
また、各観光事業者に向けて無料のキャンペーンキットを配布。「リコネクション」をテーマに商品やサービスのプロモーションやマーケティングに活用してもらう。
ビジット・イングランドは、今年の国内旅行消費額を514億ポンド(約7.8兆円)と予測。2019年の916億ポンド(約14兆円)の約半分にとどまる見込み。昨年の国内観光産業の損失額は約580億ポンド(約8.8兆円)で、約3分の2の収益を損失した。
インバウンド市場については、今年の観光収入を62億ポンド(9400億円)と予測。2019年の284億ポンド(約4.3兆円)と比較して4分の1以下に落ち込む見込み。
ビジット・イングランドの調査によると、国内宿泊旅行で最も人気のある地域はイングランド南西部で、ウェールズ、スコットランドが続く。今夏は特に、海岸線や地方でのアウトドアアクティビティの人気が高い一方、都市への訪問者が伸び悩んでいるという。
※ポンド円換算は1ポンド152円でトラベルボイス編集部が算出