沖縄北部に開業する「ジャングリア沖縄」の概要発表、入場フリーパスは二重価格で設定、JTBとパートナーシップでツアー先行販売、開業日は7月25日

刀(かたな)社とジャパンエンターテイメント社は、沖縄北部で開発を進めている大型テーマパーク「JUNGLIA OKINAWA(ジャングリア沖縄)」の開業日を2025年7月25日とすることを発表した。また、ジャパンエンターテイメントはJTBと「オフィシャル・マーケティング・パートナーシップ」契約を締結。ジャングリア沖縄の公式サイトの公開に先駆けて、入場チケットを含む旅行パッケージ商品を、JTB商品取扱店および旅の予約センターで1月29日から先行販売する。

このほど開催された記者会見では、開業日とともに同施設の概要が発表された。入場は、入場チケット(フリーパス)制。1日チケットで全てのアトラクションでの体験を楽しむことができるようにする。また、入場チケットのほか、各アトラクションをスムーズに楽しむことができるチケットも販売する予定。

1日チケットの料金は、国内在住者が大人1人6930円(税込)、子供1人4950円(税込)とし、訪日客向けの一般料金は大人1人8800円(税込)、子供1人5940円(税込)と二重価格を設定した。また、同施設内で別料金となる「スパ・ジャングリア」についても、国内在住者が大人1人2640円(税込)、子供1人1540円(税込)、一般料金(訪日客)が大人1人3080円(税込)、子供1人1870円(税込)と2段階とした。

JTBの旅行パッケージ商品では、オープン15分前に入場可能な「アーリーパークイン」、パーク内「パートナーラウンジ」利用の特典を予定する。

森岡氏「日本の観光産業を変えていく」、石破首相「新しい日本の姿を」

刀の森岡毅CEOは、「構想14年、一貫して追いかけてきたのがこのジャングリア」と話すとともに、「次世代の日本の食い扶持となるように観光の活性化に取り組み、沖縄だけでなく日本の観光産業を変えていく」と、ジャングリア沖縄の意義を説明。そのうえで、「沖縄での成功モデルをアジアへ水平展開していく」と今後の方針を明らかにした。

また、ジャングリア沖縄は、都会型のテーマパークで日帰り客が中心となるディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャバンとは異なることを強調。「沖縄への旅行者は、いつもとは違う『興奮』を求める。旅行の時ほど、いつよりも『贅沢』をしたくなる。いつもの風景とは違う非日常や絶景に囲まれ、その中で『開放感』を感じたいと思う」と説明し、ジャングリア沖縄のコンセプトを「Power Vacnace!!(パワーバカンス!!)」と紹介した。

「ジャングリア沖縄」の意義を強調する森岡氏発表の記者会見には石破茂首相も登壇。「沖縄北部地域をどのように発展させていくかは、日本政府としても非常に重要なこと」と話したうえで、ジャングリア沖縄が沖縄の経済を活性化し、県民の所得が向上する事業になることに期待感を示した。

また、沖縄本島の観光需要が那覇を中心とした南部に集中している現状から、北部へのアクセス改善に課題があると指摘。「南部からつながる名護東道路延伸の早期実現に向けて、年度内には概略ルート案を決定する。鉄軌道の建設についてもいろいろ考え方がある。沖縄の発展のために、国として尽力していきたく」と意欲を示した。

最後に、「世界自然遺産など沖縄北部は多くの可能性を秘めている。また、沖縄は日本で東南アジアに一番近い。この可能性を最大限に引き出して、新しい日本の姿をジャングリア沖縄から、そしてまた沖縄から発信してもらいたい」と締めくくった。

「高度観光人材については、観光産業の高付加価値化にとっても重要」と石破首相

経済波及効果は、開業15年間で6兆8080億円

このほか、運営会社のエンターテイメントジャパンの加藤健史CEOは、「観光立国に向けては地域の発展が必要不可欠だが、課題が山積している」と指摘。その中でも、ブランド力、交通渋滞、観光人材不足、地域の稼ぐ力を全国共通の課題として挙げたうえで、沖縄ではジャングリア事業を中心に産官学共同で、その課題解決に取り組んでいると説明した。

また、ジャングリア沖縄開業による経済波及効果についても説明。関西大学の試算によると、開業1年目の波及効果は約6583億円、雇用創出は7万45人、開業後15年間では約6兆8080億円、88万1431人となり、沖縄県内だけでなく日本の観光にとって、大きなインパクトを与えるプロジェクトと評価している。加藤氏は、推定入場者数や収益の見込みの言及は避けたものの、「沖縄ナンバー1の売上を目指す」と意欲を示した。

(左から)ジャパンエンターテイメント森崎菜穂美CMO、森岡氏、石破首相、ジャパンエンターテイメント加藤氏

アニマトロニクス技術の恐竜20頭が登場

現在のところ、アトラクションは22ヶ所、飲食施設は15ヶ所、物販10ヶ所を予定。エントランスには沖縄由来の多種多様な植物を巨大な大木に見立てたシンボルツリーがゲストを迎える。また、レストランやショップが集まるエントランスビレッジには、パーク全体を見渡せる「インフィニティテラス」が設けられる。

アトラクションの目玉は、ドライバーが運転する大型オフロード車で恐竜が生息するエリアを疾走する「ダイナソー・サファリ」。VRではなく、リアルな動きを再現するアニマトロニクス技術で開発された恐竜20頭が配置される。

「ダイナソー・サファリ」(報道資料より)

また、ジャングルの中で迷子になってしまったパキリノサウルスの赤ちゃんを探す「ファインディング ダイナソーズ」、直径約23メートルの気球に乗って、やんばるの大自然を上空から見渡す「ホライゾン・バルーン」など独自性を打ち出す。

さらに、屋外ステージ「ブリーズ アリーナ」では昼と夜にエンターテイメントショーを提供するほか、「ヤンバルクイナ」など沖縄の動物をモチーフにしたインタラクティブな屋内アトラクションなども用意する。

「スパ・ジャングリア」では、世界最大級のインフィニティ風呂を設置。屋外ではサウナ、カルシウム岩風呂、水風呂、屋内には美肌効果のある天然温泉や洞窟風呂など、バラエティに富んだ入浴施設を整備する。

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