DMOの観光戦略に必要な「地域までの移動」、ナビタイムの技術とデータを地域で活かす新たな協業モデルのカタチとは?(PR)

ほんの数年前まで、観光産業においては異業種だったナビタイムジャパン。しかし、今では、オンライン旅行事業や、観光戦略を立てる上で欠かせない移動データ分析などで、その存在感がますます強まっている。2021年4月には、同社の技術やデータなどのリソースを地域観光に活かす支援をする「地域連携事業部」を立ち上げた。

今や行政や自治体、DMO(観光地域づくり法人)は、データを総合的な観光戦略の策定に活用することが欠かせない。「旅行者が地域に到着するまでの移動の段階から観光戦略を考えると、誘客の手法や地域活性の可能性が広がる」と話す同事業部部長の藤澤政志氏に、新事業部が目指す地域との新たな協業モデルを聞いてきた。

「地域連携事業部」立ち上げの背景とは

様々な移動手段を組み合わせ、出発地から目的地までの経路案内をする「トータルナビ」をコア技術として事業を拡大してきたナビタイム。そんな同社が、なぜ地域観光を支援する事業部を立ち上げたのか?

藤澤氏によると、日本のインバウンドの拡大とともに同社の情報配信・情報管理の仕組みや、データの収集・分析を求める地域(自治体・DMO)が増え、その要望が多様化していったことが背景にある。

始まりは2012年、訪日客が増え始めた北海道ニセコでの「ニセコゲレンデMAP」の共同実証に、ナビタイムにも声がかかった。そこでナビタイムは、同社のコア技術を活用し、スキーヤーが自身の位置を把握できるゲレンデマップの提供を提案した。藤澤氏は、日本全体が訪日客の観光ニーズを把握できていなかった当時において、「取得した位置情報を統計的に分析することで、新たな観光政策としても価値のあるものになり、当社の技術やデータが観光で求められるものと認識したきっかけになった」と振り返る。

これを皮切りに、観光の実証実験でナビタイムの参画が増加。2015年には新たな機会を得た。神戸市との連携で、同市の訪日外国人向けサービス「KOBE Official Travel Guide by NAVITME」を開発し、事業化したのだ。同市では、訪日クルーズの増加で訪日客向けの観光情報の整備が追い付かない状況にあった。そこでナビタイムは、サービス開発と併せて、地域の観光情報を市が一元管理するデータベースの構築を提案。市内の様々な観光事業者の持つ情報を集約し、訪日客がスマホで必要な情報にアクセスできる環境と情報管理・運用の省力化を実現した。

新設した地域連携事業部は、これまでインバウンド事業部の事業部長として地域観光に携わってきた藤澤政志氏が率いる

こうした取り組みの中で、ナビタイムは「インバウンド事業部」を発足。地域連携の事業も多角化し、データ分析をしながら情報管理・運用やサービス開発を行うケースが増えてきた。その特徴的な事例が、レンタカー観光での訪日外国人向けアプリ「Drive Hokkaido!」の開発と誘客施策や移動経路などのビッグデータ解析などを実施した北海道開発局の「北海道ドライブ観光促進社会実験」。そして、「自転車NAVITIME」の自転車専用ルート検索やデータを活用してOEMアプリ「BIWAICHI Cycling Navi」を開発した、滋賀県との連携事業だ。

例えば、滋賀県との連携では、琵琶湖を自転車で一周する“ビワイチ”を様々な方法で楽しんでもらうだけでなく、沿岸部からさらに内陸部への周遊促進に繋げる取り組みとして協業。サービス開発や情報配信・管理とともに、走行実績データと検索ログデータの継続的な収集・分析による観光動態の変化を把握し、具体的な誘客施策の検討や効果検証も行う。1つの連携の中で多様な取り組みを行っている。

「自治体やDMOなどから受ける相談の幅が広がってきた」と藤澤氏。インバウンドのみならず、観光による地域活性そのものに広がり、総合的な観光戦略を立てる上でナビタイムの持つデータやノウハウを求める声がより高まってきた。こうした声を一元的に受け入れる組織として「地域連携事業部」を発足した。

「BIWAICHI Cycling Navi」の出発エリア検索分布。琵琶湖大橋や近江大橋をはじめ湖岸付近からの出発が多いが、京都駅や大阪駅、名古屋駅など離れたエリアからの出発も一定数存在することがわかる

地域の持続可能な観光戦略を協業で支援

新設された「地域連携事業部」は、地域課題とナビタイムの資産をマッチングするアドバイザー的な役割を担い、企画提案からコンサルティングまで幅広く実施。そこから、案件ごとに公共交通、MaaS、ツーリング、ドライブ、トラベル、メディアなど社内の各事業部に開発の橋渡しを行い、具体的な協業モデルを構築していく。

その際、ナビタイムは、一般消費者や事業者向けのビジネス展開で技術のアップデートやサービスの向上を進めているため、常に最新の資産の活用を地域に提案できるのが強み。経路検索やナビゲーションだけでなく、施設情報や観光情報から、人の移動に関するデータや交通データ、情報配信、データ分析、サービス開発など保有する事業資産は多様だ。

また、データの収集や蓄積と同時にその管理にも強みを持つ。その機能をナビタイムに任せることで、地域職員の負担は軽減され、事業が予算上の都合で停止した場合でも、データを統合し、管理しておけば、将来再開するときにフロントだけを再構築することで、すぐにデータに基づいた運営が可能になる。もちろん、既存事業のサービスを地域に貢献できることは、ナビタイムにとってもメリットになる。

発注者と受注者の関係に終わらない地域連携の形

「発注者と受注者の関係では、持続可能な地域事業はできない」と藤澤氏。まずは、地域の課題について共通認識を持つことが大切と力説する。そのうえで、課題解決に向けて、「地域にナビタイムの技術とサービスを活用してもらいたい」と話す。

「これまでは、相談を受けることが多かったが、これからは地域連携事業部として、自ら地域に赴きたい」と藤澤氏。「コロナ前の観光に戻ることはない。だからこそ、地域にも新しいチャンスが生まれている」との認識のもと、地域との連携を強化していく考えだ。

「移動の再定義」で誘客のチャンスが生まれる

藤澤氏は「今、地域には稼ぐ能力が問われている」と話す。重要なのは、地域外からの外貨獲得と域内消費の循環。ナビタイムの地域連携では、人が移動する行為そのものに着目し、「人の移動による経済活性化で地域に貢献する」ことを目指していく。そのため藤澤氏は「移動の再定義」を提案する。

藤澤氏は「これまでの地域は域内に人を呼び、その中でどう観光消費を促すかの話が中心で、誘客を移動の視点で考えることがあまりされていなかった」と指摘。旅行会社が観光バスでツアーや団体を地域に大量送客した時代はそれでよかったが、今は個人旅行化が進んでいる。域外から域内への移動には多様な交通手段が存在しており、各旅行者はそれぞれが好む交通手段で訪れている。

そのため藤澤氏は、「誘客の施策をエリアへの移動手段をベースに考え、誘客セグメントに分けて取り組みを進めることで、地域はより強い『観光力』を持つことが可能になる」と提言する。例えば、「自動車×自然」のドライブツーリズム。自然を観光対象として見てもらうなら、ドライブのほうがより楽しめる場合もある。移動手段が分かれば、地域の周遊や消費促進の仕掛けも、より自動車での来訪にふさわしい内容で考えることができる。

観光地への移動手段(モード)によって誘客と域内観光を考える。移動手段は客層や観光の志向の傾向が見えやすい

藤澤氏は、移動を再定義する考え方が、アフターコロナでの観光戦略でさらに必要になるとみている。

コロナ禍によって新幹線などの交通機関が満席にならないケースが増えれば、「物流としての考え方が出てくる」と藤澤氏は見る。そうなると、例えば「輪行」(公共交通機関を使用して 自転車を運ぶこと)など、これまでは少数だった移動がしやすくなり、こうした手段で訪れる観光客向けの戦略も考えられる。「誰を誘客するかは移動手段で考えていく。移動自体にも新たな概念が出てくることも想定する必要がある」と主張する。

ナビタイムは、これまで同社のコア技術である経路探索技術でサービスの拡大を遂げてきた。その特徴のひとつは、最短ルートだけでなく、旅行者のニーズに合わせたさまざまな移動手段やルート検索が可能なところにある。藤澤氏は、これを、移動を再定義した観光の枠組みに落とし込むと、「これまで公共交通機関によるアクセスが不便だった地域にも、人を呼び込むチャンスが生まれる」と強調する。

コロナ禍によって、地域観光は厳しさを増している。だからこそ今、改めて地域にとっての観光の役割が問われており、持続可能な観光戦略が求められている。

北海道開発局との取り組みで制作した訪日客向けドライブアプリ「Drive Hokkaido!」。2017年以降も連携は続いている

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事例:

問い合わせ先:地域連携事業部 coordination@navitime.co.jp

記事:トラベルボイス企画部

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