企業が出張中の二酸化炭素削減に対して罰則規定を設けることで、航空会社やホテルの脱炭素化は加速するかもしれない。米観光産業ニュース「スキフト」は、出張での脱炭素化を進めるマイクロソフトの取り組みをリポートしている。
マイクロソフトでは、出張中に排出される二酸化炭素量に基づいて社内的な罰金制度を設けているが、現在の二酸化炭素1トンあたり15ドル(約1770円)から今年7月には最大100ドル(約11800円)に増額する。同社は、脱炭素化に向けて積極的な対策を進め、2030年までに「二酸化炭素排出ゼロ、廃棄物ゼロ」企業になる目標を掲げている。社内で集められた罰金は持続可能な航空燃料(SAF)の購入に充ているという。
同社のこの取り組みは、社員の出張を抑制することにもつながるため、旅行業界にとってはあまり喜ばしいものではないかもしれない。しかし、一方で航空会社やホテルがより環境に配慮した取り組みを進める後押しにもなるだろう。
また、将来国によっては炭素税が設けられることも考えられるが、マイクロソフトは、その時のために今から準備を整えているともいえる。大企業や投資家は、気候関連の財務的リスクを回避する方法としてマイクロソフトの取り組みを注視しているようだ。
※ドル円換算は1ドル118円でトラベルボイス編集部が算出
※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(skift)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいてトラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。
オリジナル記事:Microsoft Discourages Corporate Travel by Raising Own Carbon Fee 600 Percent