欧州の鉄道予約「トレインライン」、Googleマップと戦略提携、地図をクリックして鉄道チケットを予約・購入へ【外電】

アフターコロナでは、移動手段として鉄道が大きく成長すると言われている。米観光産業ニュース「フォーカスワイヤ」では、世界の鉄道予約額は2022年の1310億ドル(約17.7兆円)から2023年には1510億ドル(約20.4兆円)、さらに2024年には1610億ドル(約21.7兆円)に増加すると予測レポートを発表している。

二酸化炭素削減の観点からも、特に欧州ではその傾向が強く、フォーカスライトの調査では、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国では旅行者の3人に2人以上が二酸化炭素排出量を削減するために航空機による飛行量を減らす可能性が高いと回答している。

フォーカスワイヤでは、鉄道旅行をより簡単に利用できる予約プラットフォームのひとつ、「トレインライン(Trainline)」に注目。同社最高技術責任者(CTO)のミレーナ・ニコリック氏にインタビューで、その事業方針を聞いている。

ニコリック氏はグーグルから昨年7月にトレインラインに参加。昨年10月には、英国でGoogleマップとの統合を発表。ユーザーがマップをクリックして、トレインライン経由で鉄道のチケットを予約・購入できるようにするという。

Trainlineのホームページ複雑な予約・購入の仕組みをよりシンプルに

ニコリック氏はインタビューで、「鉄道は非常に複雑な運行の仕組み。これをテクノロジーでよりシンプルにしていく」と話す。トレインラインは、鉄道予約プラットフォームとして、複数の鉄道会社とパートナーを組んでいるが、路線によって、運行スケジュール、運賃、クラスなどが異なる。

その複雑性をテクノロジーで解決していくために、Googleと戦略的なパートナーシップを組んだ。Googleマップだけでなく、Googleペイとも統合。検索から予約・購入、決済までをシームレスにつなげ、「顧客体験を向上させていく」ことを狙う。

また、ニコリック氏は、サステナビリティの観点から、この1年で鉄道旅行への注目がさらに高まっていると話す。「パンデミックを経て、旅の習慣が自然に変わり、旅行者の意識も変わっている。サステナブルな旅行を消費者に訴求するための特別なインセンティブを提供しなくても、移動の手段を選ぶときに、車などと同様に鉄道もあるとの認識が広がっている」と明かす。

トレインラインは、パートナー企業に対して、二酸化炭素排出量削減の情報も提供しているため、「彼らは、鉄道が排出量削減にどれだインパクトがあるの理解している」という。

ニコリック氏によると、アプリ保有者に占める1週間のアプリ利用者数は、2020年2月の39%から2022年2月には47%に増加した。ニコリック氏は「鉄道は、サステナブルだけでなく、快適な移動手段。旅行の移動手段として、鉄道がデフォルトのオプションになるように、簡単に予約・購入できるようにしていく」と、CTOとしての役割を明確にした。

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営するニュースメディア「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事:VIDEO: DIGITAL, DATA AND DISTRIBUTION DRIVING GROWTH IN RAIL

※ドル円換算は1ドル135円でトラベルボイス編集部が算出

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…