ナビタイムジャパンと三井不動産東大ラボは2022年10月3~23日の期間中、東京・日本橋エリアで「舟遊び×スイーツ×サブカルチャー」をテーマにしたコンテンツーリズム「ゆらり遊舟(あそびふね)ぶらり日本橋」を実施する。三井不動産東大ラボのアイデアコンテストで優秀賞を受賞したナビタイムのアイデアを、実証実験として実施するもの。
ナビタイムのウォーキングアプリを活用したデジタルスタンプラリーを展開し、エリア内での周遊や購買を促進する内容だ。日本橋ならではの「舟運」利用も促す。人気イラストレーター・漫画家の鈴木次郎氏が書下ろしたイラストやロゴ、キャッチコピーでイベントにストーリー性を持たせ、スタンプラリーの賞品で限定グッズを提供。スタンプラリーのポイントにはスイーツやカフェの店を設定し、日本橋が課題としていた若者層の来訪意欲を喚起する。さらに、スタンプラリーで得られたデータを分析・活用し、街づくりやサービス開発につなげる。
また、舟運の利用喚起では「舟遊びみずは」と連携し、スタンプラリーで舟でしか行けないスポットを設定。浜離宮庭園越しの東京タワーがみられる本イベントの特別コースも運行し、デジタルスタンプを1つ集めて参加した乗船者には、オリジナルグッズも提供する。ナビタイムMaaS事業部の伊藤遥氏は、先ごろ開催した記者会見で「イベントと日本橋エリアを知ってもらうフックとして、サブカルチャーの力を活用する」と説明した。
伊藤氏は、同社がこれまで参画してきた様々な実証実験の経験から「移動の喚起が大切」と述べ、その仕掛けとして同社では「地域」「モビリティ」「デジタル」はもちろん、「物語」を重視していることを説明。特に2021年度、アニメ「ラブライブ」の聖地をめぐるバスの実証実験で「非常に大きな手ごたえ」を得たことを紹介し、「この知見を活かした」という。
三井不動産東大ラボの東京大学大学院情報学環特任研究員・山田大典氏は、「専門的に課題解決ができる人を探しており、たどり着いたのがナビタイムのコンテンツツーリズム。今まで日本橋に来なかった人に来てもらうアイデアをもらった」と説明。加えて、「20年以上にわたり、モビリティに関するデータと学びでPDCAを回してきた実績も決め手」と、選定理由も話した。
三井不動産の日本橋街づくり推進部事業グループ長の町田収氏によると、日本橋では1999年から「日本橋再生計画」が進められている。今後は日本橋の川沿い約1.2キロにわたって、商業施設や緑地などの親水空間も建設する計画だ。文化を継承しながら未来に向けて街を再生していく中で、町田氏は「日本橋の課題は若い世代に魅力が理解されておらず、昔のイメージが残っていること」と述べ、コンテンツで若い人を呼び込むことに期待を示した。
実証実験の詳細は以下のサイトで確認できる。