エイチ・アイ・エス(HIS)が今年の年末年始の海外旅行の予約動向をまとめた。予約数ランキング1位はソウルで、11年ぶりに首位に返り咲いた。2位はホノルル、3位はバンコク。調査日は2022年11月15日の前年同日比で、HISで2022年12月24日~2023年1月3日のパッケージツアー、ダイナミックパッケージ、国際線航空券を申し込んでいる予約数を分析した。
全体では前年の約19倍に
これによると、海外旅行全体の予約数は前年同日比で約19倍と大きく伸びているが、コロナ前の2019年比では2割程度にとどまっている。世界の定期便航空総座席数の推移と比較し、2022年12月の日本における国際線航空座席供給数はコロナ前の45.6%で(出典:シリウム)、HISは「座席数そのものが戻しきれていない」とみている。
平均単価は前年比30.6%増の19万6700円。燃油サーチャージが昨年より値上がりしていることが大きく影響している。2022年夏休み期間(7月21日~8月31日)の平均単価は21万3600円だったが、繁忙期で価格が上昇する傾向にある年末年始のほうが低いことについては、「短距離方面のソウルが1位になり、長距離方面である欧米諸国が上位に多くランキングしなかったことが要因」(HIS)としている。
若年層けん引する韓国
1位はソウルで、1位の交代およびソウルが1位となるのは、2011年以来、11年ぶり。韓国は今年8月以降、日本を含むビザ免除での入国が再開し、規制緩和に伴い予約者数が増加。ソウル行きの約7割が女性で、若年層が約4割とけん引している。また、4位にプサンもランクインしており、韓国全体では2019年比で約5割と、他国と比較しても回復の速度が速いのが特徴だ。
2位には昨年1位のホノルルがランクイン。平均単価は35万3000円で、燃油サーチャージの価格差を加味しても、他方面の平均単価から大きく上振れしており、高級なホテルに泊まって寛ぐ滞在を重視している人が多いという。
HISは2023年の動向について、入国規制緩和により急激に動いた韓国に続き、コロナ前に需要の高かった台湾の戻りに期待。現在、台湾は1日の入境者数に15万人の上限があるとともに、7日間の自主防疫が必要で、今後、入国に関する水際対策が緩和されれば、韓国同様、急激な回復も見込まれると推測している。
HIS年末年始海外旅行、旅行先別予約者数ランキングは下記のとおり。カッコ内は前年の順位。
- ソウル(4位)
- ホノルル(1位)
- バンコク(3位)
- プサン(―)
- グアム(6位)
- シンガポール(―)
- 台北(―)
- マニラ(9位)
- パリ(8位)
- ホーチミン(―)