京都市観光協会(DMO KYOTO)は、2022年10月の市内116ホテルの客室稼働率が、前月から9.3ポイント増、前年同月から24.9ポイント増の63.7%になったことを明らかにした。10月11日からの外国人観光客入国制限緩和と「全国旅行支援」が下支えとなり、「GoToトラベル」期間であった2020年11月の63.3%を僅かに上回り、コロナ禍となってからの最高値を更新した。なお、コロナ禍前の水準には達しておらず、2019年同月比で22.4ポイント減となっている。
10月の日本人延べ宿泊数は53万3611泊となり、前月の47万4619泊からは12.4%増。調査対象施設数の変化を考慮しない場合、前年同月比は63.5%増、2019年同月比は106.4%増。同協会では、2019年同月は台風の影響や、ラグビーワールドカップ開催で早い時期から外国人観光客による客室の確保が進み、日本人客にとっては予約がしづらい状況であったことも、2019年同月比が大きくなった要因と分析している。
一方、外国人延べ宿泊数は前月比346.3%増の8万4907泊。10月の訪日客数は9月比で約2.4倍となったなか、京都市内主要ホテルの実宿泊客数は約4.4倍と大幅に増えた。国・地域別の構成比では、アメリカが最も多く25.9%。2019年同月比では、主要国が軒並み減少となるなか、韓国のみ42.7%増と大きく伸長した。
10月の平均客室単価は1万4647円。前年同月比では32%増、2019年同月比では12.5%減。客室収益指数(平均客室単価に客室稼働率を乗じた指標で1室あたりの売上高に相当する)は9330円となり、前年同月比では116.7%増となったものの、2019年同月比では35.3%減。平均客室単価が前年同月を上回るのは8か月連続。
また、市内主要旅館24施設における稼働率は60%となり、前月から0.2ポイント増にとどまり、2019年同月比では10ポイント減となった。外国人観光客をはじめとした個人旅行者による利用はコロナ禍前と比較すると低調。また、一部施設では感染予防のため1部屋あたりの 定員数を少なくしているため、稼働率は回復しても宿泊客数がコロナ禍前を下回りやすい傾向が出ている。
このほか、11月以降は、「全国旅行支援」に加え、紅葉シーズンや年末年始の影響で稼働率が高まると見込む。10月時点の今後の客室稼働率の予測値は、11月77.4%、12月75.4%、1月53.2%となっている。